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退職後の自殺を労災認定 東京地裁

2006年9月

過労でうつ状態になり退職から1ヵ月後に自殺した保育士(当時21)の労災認定を国に求めた遺族の訴訟判決で、東京地裁は過労自殺を認めた。退職後の自殺の認定はとても珍しく、初めてのケースになるという。

判決理由では、保育士が短期間で責任者を命じられたことを重視し、「通常の人なら誰でも精神疾患を発症する過重な業務内容」とし、「業務が原因のうつ状態が、退職後も治癒していたとはいえない」と認め、退職後の自殺と過労との因果関係を認定した。

国側は「4月には求職活動をするなど障害は治っていた」と主張したが、「うつ状態は気分の良い状態と落ち込む状態を繰り返す。求職活動などは治った証拠とは言えない」と退けた。

判決によると、保育士は短大卒業後、無93年1月から認可保育園に就職し、日曜日以外、毎日12時間勤務が続いた。新人5人の指導責任者を任せられ、自宅残業や休日出勤が増えた。3月末に適応障害と診断され入院し退職、自宅静養中の4月末に自宅で首をつって自殺した。

労災認定を求めた今回の裁判の他に、遺族は保育園を相手に損害賠償を求めた裁判では、過労と自殺の因果関係を認めて支払いを命じる判決が、最高裁で00年6月に確定した。

 

(一言コメント)

今回の労災認定の経緯としては、自殺発生当時、労災を申請したが認められず、認められなかったことに対し不服申立をするが05年3月に退けられ、05年6月提訴に踏み切り、その結果、東京地裁にて、今回の判決が言い渡されたという状況。今回の内容としてインパクトがあったポイントとしては、、、

@退職後の自殺を労災認定した
A求職活動などは治った証拠とは言えないと名言されたこと

労災認定は、発生から6ヶ月前までさかのぼって、自殺(発症)と業務との関連性がなかったかどうかチェックされます。

よって、今回の認定内容をそのまま受止めた場合、今後、企業としては、退職後、半年間に同様の状況が発生した場合、今回と同じように認定される可能性があるということになります。

企業の皆さんにとっては、悩ましいポイントが1つ増えたことになります。方法として、「退職後6ヶ月間サポートを推進すること」となりますが、なかなか会社としては、サポートを推進することは難いところです。外部機関などを有効に活用する必要性が出てくるように感じられます。

ただ、何より、日頃から安全配慮を推進することで、回避できる状況ではないでしょうか

 

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