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2008年5月
米イリノイ大学シカゴ校医学部のマーク・レーズニック教授の研究チームが、簡単な血液検査で抗うつ剤の効果をより早く確認できる手法を、米科学誌ニューロサイエンス(Journal of Neuroscience)に発表した。
研究チームは、自殺したうつ病患者16人と、精神疾患を発症したことのない人の脳を比較した結果、うつ病患者の脳細胞では、脂質ラフトと呼ばれる部分に、シグナル伝達に関与するタンパク質「Gs alpha」が多く存在していることを発見した。
Gs alphaが脂質ラフトに閉じこめられると、神経伝達物質を活性化する能力が低くなってしまう。抗うつ剤にはGs alphaを脂質ラフトから解放する効果があるが、脳細胞の脂質ラフトに作用するのには約1ヵ月かかる。そこで教授らは、血球の脂質ラフトに注目。血球の脂質ラフトでは、抗うつ剤の効果が4、5日間で判明できるという。
※脂質ラフト
脂質ラフトは細胞膜の内外をつなぐ物質で、生体内でのシグナル伝達の中継点、物質輸送の窓口として重要な働きをする。
※ Gs alpha
神経伝達物質と相互作用しているタンパク質。脳細胞において、神経伝達物質からのメッセージを評価し、かつそれらのメッセージを増幅する働きを持つ。
【一言コメント】
簡単な血液検査で抗うつ剤の効果をより早く確認できる手法が米研究者により発表されました。
発表誌によると、その手法はまだ仮説段階であり、さらに新しい発見のための研究が必要だといいます。
弊社では今後とも研究の動向を追っていき、随時HPでお伝えしていきたいと思います。
以下は、昨今発表された研究成果の紹介です。ご参考まで。
→メンタルヘルス障害の鑑別を可能にしてDNAチップの開発とその応用−徳島大