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認知の歪み理論
( にんちのゆがみりろん )
Beck.A.T.によって提唱された抑うつ気分の背後には「思考」が存在している=思考が気分に影響を与えているという理論。
抑うつになりやすい人は不合理な信念を持っていて、ネガティブな出来事をよりネガティブな方向にゆがめて解釈して落ち込んでいる。抑うつ感情を抑えるにはすなわち、抑うつ的な認知を変えることで抑えることができる。
ベックはエリスのABC理論
「A悩みを誘発する出来事」→「B認知の受け取り方」→「C結果としての悩み、ネガティブ感情」
の「B、認知の受け取り方」に関し、不合理的信念を3つのレベル〈(a)自動思考、(b)推論の誤り、(c)抑うつスキーマ〉に分けた。
(b)自動思考
自分の意志とは関係なく意識にのぼってくる、表層的でネガティブな考えのこと。
自己・世界・未来という3つの領域にわたってネガティブな思考内容で占められている(抑うつ認知の3大徴候)
(c)体系的な推論の誤り…その人独特の考え方のくせ。体系的に6つに分けられる。
1.恣意的推論…証拠もないのにネガティブな結論を引き出すこと
2.選択的注目…最も明らかなものには目もくれず、ささいなネガティブなことだけを重視する
3.過度の一般化…わずかな経験から、広範囲のことを恣意的に結論付ける
4.拡大解釈と過小評価…ものごとの重要性や意義の評価を誤ること
5.個人化、自己関係づけ…自分に関係のないネガティブな出来事を自分に関係づけて考える
6.完全主義的・二分法的思考…ものごとに白黒をつけないと気が済まないこと
(d)抑うつスキーマ
スキーマとは、その人の思考の枠組みのことで、それまでの人生で形成した人生観や世界観を反映している(永続的・安定的で、人格に関連する)。抑うつスキーマとは、抑うつに関連するスキーマのこと。自動思考とは違って、意識の深層にある。普段は潜在しているが、ネガティブライフイベントによって活性化され、ネガティブな自動思考が生じる。
これらはDAS(非機能的態度尺度)ではかることができる。