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2017年1月
厚生労働省は、違法な長時間労働の撲滅を目指す緊急対策を2016年12月26日にまとめた。
【対策の概要】
●違法な長時間労働を許さない取組の強化
(1)新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底
企業向けに新たなガイドラインとして、
@労働者の「実労働時間」と「自己申告した労働時間」に乖離がある場合、使用者は実態調査を行うこと、
A使用者の明示または黙示の指示により自己啓発等の学習や研修受講をしていた時間」は
労働時間として取り扱わなければならないことを明確化。
(2)長時間労働等に係る企業本社に対する指導
違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対して、全社的な是正指導を行うこと。
(3)是正指導段階での企業名公表制度の強化
現行の要件「月100時間超、10人以上または4分の1以上労基法32条等違反が1年間に3事業場認められる」を
@月100時間超を月80時間超に拡大
A過労死等・過労自殺等で労災支給決定した場合も対象とし、
上記が2事業場に認められた場合に企業本社の指導を実施、是正されない場合は公表する。
また、月100時間超と過労死・過労自殺が2事業場に認められた場合などにも企業名を公表する。
(4)36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底
●メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化
(1)メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導
複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社に対してパワハラ対策も含め個別指導を行うほか、
時間外、休日労働が月80時間超の事業場に対する監督指導等において、
メンタルヘルス対策に係る法令の遵守状況を確認し、訪問指導の受け入れを進める。
(2)パワハラ防止に向けた周知啓発の徹底
メンタルヘルス対策に係る企業や事業場への個別指導等の際に、「パワハラ対策導入マニュアル」等を活用し、
パワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組等も含め指導を行う。
(3)ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底
長時間労働者に関する情報等の産業医への提供を義務付ける。
●社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化
(1)事業主団体に対する労働時間の適正把握等について緊急要請
違法な残業防止、企業・業界団体におけるメンタルヘルス対策、パワハラ防止対策などの取り組みによる
「心の健康づくり」の推進や長時間労働の背景となっている取引慣行の是正。
(2)労働者に対する相談窓口の充実
労働者から、夜間・休日に相談を受け付ける「労働条件相談ほっとライン」を毎日開設。
(3)労働基準法等の法令違反で公表した事案のホームページへの掲載
これらの対策は、2017年1月から順次実行に移す予定である。