メンタルヘルス対策・EAPのカウンセリングストリート

企業・組織とメンタルヘルスの両面に精通した視点でEAPコンサルティングを推進します
貴社の実情に即した、実践的で効果の上がるEAP・メンタルヘルス対策を実現します

プライバシーマーク
トップ > メンタルヘルス最新ニュース > 専務取締役にも安全配慮義務 実態は労働者 (大阪高裁 遺族が逆転勝訴)

メンタルヘルス最新ニュース

専務取締役にも安全配慮義務 実態は労働者 (大阪高裁 遺族が逆転勝訴)

2007年2月

取締役の過労死によって会社に責任が問われた初のケース。

かばん卸会社(大阪市)の専務取締役の男性(当時60才)が、会社が過重労働を放置したために死亡したとして同社と社長に対して約7200万円の損害賠償を遺族が求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は請求を棄却した1審判決を取り消し、「生命の危険を防ぐ義務があった」として、会社側の責任を認め、約1200万円の支払いを命じた。

原告の弁護士によると、使用者(取締役)に対する安全配慮義務違反を認めた判決は初めてとのこと。「男性が毎月 6日間、北陸地方に車で出張するなどの勤務実態からみて、(男性の)取締役の名称は名目的だった」と指摘し、使用者ではなく労働者だったと認定した。

判決によると、男性は取締役に昭和51年に就任し、その後、平成12年に部下の従業員6人のうち4人が辞めたため、長時間労働を余儀なくされ、同年8月に出張先のホテルで就寝中に急死。死因は急性循環不全とされた。

尚、大阪中央労働基準監督署は2004年に労災認定していた。

 

(一言コメント)

取締役に対する安全配慮義務違反を認めた初めての判決。 取締役という名称から判断するのではなく、「実態」から判断された結果ということです。 今後、もちろん、同様の実態があるのか、ないのか、会社として把握し、必要に応じた対処が求められます。

また、この判例から、今後、逆のケースが適用される可能性が考えられます。つまり、一般社員であるにも関わらず、安全配慮義務違反を問われるケースです。具体的には、名称は管理監督者(部長・課長など)ではなく、一般社員の扱い、例えば、リーダー・係長・主任であっても、実態として、管理監督者と同等の役割をおっていた場合、その一般社員に対しても、安全配慮義務を課せられるということです。

このような状況、各社、各職場において、見受けられると思います。この機会に、役職と実態の関係をチェックされてみては如何でしょうか。

 

メンタルヘルス最新ニュース一覧