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厚生労働大臣は、労働安全衛生法に基づき、5年ごとに「労働災害防止計画」を策定します。
「労働災害防止計画」とは、労働災害の減少のために国が重点的に取り組む事項を定めたものです。
この計画は昭和33年から開始されました。現在は、第12次計画の推進中です。
【過去の「労働災害防止計画」とメンタルヘルス】
労働災害防止計画は、それぞれの時代背景を色濃く反映しています。
当初は、現場での安全管理の確保がメインでした。計画にメンタルヘルスが登場するのは平成に入ってからです。
第1次(昭和33年〜37年)〜第3次(昭和43年〜47年)・・・死傷災害時の削減が重要課題
作業現場等の安全管理に主眼
第4次(昭和48年〜52年)〜第8次(平成5年〜9年)・・・快適な職場づくり、健康保持増進対策を重視
単なる労災の防止だけでなく、より高い安全衛生水準の確保を目指す。
ただし、「メンタルヘルス」を扱った項目なし。
第9次(平成10年〜14年)・・・初めてメンタルヘルス関連の対策を策定
労働者の健康確保対策の一つとして、「ストレスマネジメント対策」を明記
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管理監督者向け研修、労働者自身に対する知識の付与、相談体制の整備を行い、
職場におけるストレスマネジメントの普及を図る
第10次(平成15年〜19年)・・・目標に「職場のストレスによる健康障害」の削減が盛り込まれる
職場のストレスによる健康障害のため、労災認定件数が増加している点を憂慮。
・ 具体的な対策として、セルフケア、ラインケアを推進すること、
うつ病への偏見をなくした上で、早期の対応を行うこと、
職場復帰後の体制を整備すること、自殺防止の対策を進めることなどを盛り込む
第11次(平成20年〜24年)・・・メンタルヘルスを重要対策と位置づけ
多くの労働者が職場で強いストレスを感じている点、
精神障害による労災認定件数が増加している点を踏まえ、
具体的な対策の推進を盛り込む。
【第12次労働災害防止計画】
現在計画推進中の第12次は「働くことで生命が脅かされたり、健康が損なわれるようなことは、本来あってはならない」をコンセプトに、国、事業者、労働者、消費者など全ての関係者が、安全や健康のためにはコストが不可欠であることを認識し、それぞれが責任ある行動をとることによって、誰もが安心して健康に働くことができる社会を目指しています。
今回、メンタルヘルスの取り組みについてはさらに具体的となり、数値目標も設定されました。
目標:平成29年までに8割の事業場がメンタルヘルスに取り組んでいること
第12次労働災害防止計画では、メンタルヘルス対策の目標として、5年間で8割の事業場がメンタルヘルス対策に取り組むようになることと設定しました。
具体的な施策は以下の通りです。
1.予防のために職場改善に取り組む
・ 労働者自身のセルフケアの推進と、管理監督者、労働者への教育研修、情報提供の推進
・ パワーハラスメント対策の推進
・ 職場環境の改善として、過度のストレスの要因となるリスクを特定、評価し、必要な措置を講じる
2.ストレスへの気づきと対応の促進
・ ストレスチェックの取組みを推進
・ 相談体制の整備
3.取組方策の分からない事業場に対する支援
・ メンタルヘルス対策の取り組み方が分からない小規模事業場などに対する支援の強化
4.職場復帰対策の促進
・ それぞれの事業場が職場復帰支援に取り組みやすいよう、
事例集、事例の分析に基づくモデルプログラムの作成、周知。
・ 職場復帰支援の取り組みについて、事業者に対する支援措置の充実
第12次労働災害防止計画(PDF)