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メンタルヘルス障害のネガティブ思考
( めんたるへるすしょうがいのねがてぃぶなしこう )
メンタルヘルス障害は、気分の変化や認知、行動面の障害を伴い、
日常生活の様々な分野に影響を及ぼす。
うつ病では、「もう自分はダメだ」「何をしても失敗だ」
などの『認知のゆがみ』や『不合理な信念』がよく取り上げられ、
負のスパイラルに入り、抜け出しにくくなる特徴が見られる。
このような何事もマイナスに捉えてしまう 『ネガティブ思考』 は、
単なる落ち込みや、やる気の問題だと捉えられることが多いが、
うつ病を発症した場合、これらは脳機能の障害も影響している可能性が大きくなる。
メンタルヘルス障害は脳の疲れ。
脳は身体的な症状だけではなく、精神的にも影響を及ぼす。
脳の「前頭前野」は、楽しいうれしい、悲しい苦しいなどの
捉え方や感情に関係していることが示されている。
また、うれしいことがあるだろう、悲しいことがあるだろうなどの
予想を立てる役割も持っている。
うつ病を発症した場合、脳機能が乱れ、「前頭前野」も正常に働かなくなるため、
悲しい、苦しいなどの感情や状況を過剰に察知しやすくなる。
先行きに対してもネガティブな方向に反応しやすくなり、
悪いことが起こりそうと予想されやすくなる。
そのため、「もうダメだ」「この先ももうダメだ」などの
「ネガティブ思考」が一層強く、強調されるようになるのだ。
メンタルヘルス障害は精神的な症状も目立つため、
ただ精神的なものであると捉えられやすいが、
その背後には脳機能の障害も関わっていることを認識して対応することが望ましい。
〜 カウンセリングでネガティブ思考を変える 〜
メンタルヘルス障害の治療には、投薬治療と、
カウンセリングや心理療法がよくあげられる。
投薬治療は、生理的な不調や気分、バランスの崩れに対しての緩和や治療、
カウンセリングや心理療法は、ネガティブ思考など、
その人にまつわる認知や状況そのものなどが対象となる。
認知を扱うものでは、認知療法などが有名だが、
投薬治療を併用することで改善が期待され、再発率も低いとの研究も見られている。
認知療法を用いたカウンセリングでは、
個人が状況に対してどのように理解し感じとるかに注目をし、
その固定した見方や感じ方を取り上げて扱うことになる。
固定した見方が本人にとってネガティブであり、本人を苦しめる結果になるのであれば、
その状況に対し現実的で合理的な考え方を別途考え、
自身の認知を修正させていくことが目標となる。
「仕事でミス(状況)」 に対して
「いつも失敗、きっと次もまたミスしてしまう(思考)」 が浮き出た場合、
その結果「落ち込む(感情・行動)」 に繋がることになるが、
「ミスしたけど修正できたからいつも失敗ではない(思考)」
というように、思考の流れを変える働きをしていけば、
「次に向けて頑張れる(感情・行動)」に変化する。
このように1つ1つ取り上げていくことによって
自分の中に潜む歪んだ認知に気付き、
適切な認知や行動を学習していくことが可能となる。
不適切な反応から自身を守り、メンタルヘルス障害に陥らないよう、
自分自身の考えや信念を理解し、
さらによりよい生活へと導く考えや信念を獲得していくことが望ましい。