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2018年9月
理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター合成生物学研究チームの上田泰 
        己チームリーダー(東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻システムズ薬理 
        学教授)らは、レム睡眠に必須なニつの遺伝子を発見し、レム睡眠がほぼなくな 
        っても生存するマウスの作製に初めて成功しました。 
本研究成果は、レム睡眠の誘導や睡眠覚醒における神経伝達物質アセチルコリン 
        の役割の理解と、その異常により引き起こされる睡眠障害の病態解明や治療法の 
        開発に貢献すると期待できます。 
レム睡眠は、身体は寝ているのに脳は起きているという、覚醒とノンレム睡眠の 
        中間の状態と考えられています。アセチルコリンはレム睡眠を誘導する分子とし 
        て知られていますが、本当にレム睡眠に不可欠なものであるかはこれまで不明で 
        した。今回、国際共同研究グループは、脳・神経系49部位の網羅的遺伝子解析、 
        新しいマウス遺伝学ツールの開発、個体レベルの遺伝学的手法を駆使することで、 
        アセチルコリンの受容体遺伝子であるChrm1とChrm3が睡眠量の制御に重要な働 
        きをしていることを明らかにしました。特に、その両方の遺伝子を同時に欠失さ 
        せたマウスでは、レム睡眠がほとんど検出されないことを発見しました。 
今後の期待 
        本研究により、レム睡眠の有無を決定する遺伝子を初めて同定しました。本成果 
        を利用して、レム睡眠を特異的に操作する技術や薬剤が開発され、さらなる睡眠 
        研究ならびに睡眠障害に対する効果的な治療薬の開発が進展すると期待できま 
        す。 
また、今回の研究で初めてレム睡眠がなくなっても生きられる個体の存在を確認 
        しました。このことは、レム睡眠が動物にとって本当に必須なのか、必須である 
        のならどのような役割を持っているのか、そして睡眠はどこまで削れるのかとい 
        う問いを、改めて検証するきっかけになると考えられます。ニつのアセチルコリ 
        ン受容体遺伝子Chrm1とChrm3を欠損したマウスを見る限りでは、少なくともレ 
        ム睡眠はなくてもよさそうです。 
本研究は、米国のオンライン科学雑誌『Cell Reports』(8月28日付け:日本時 
        間8月29日)に掲載されました。 
※プレスリリースより一部抜粋して掲載しております