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統合失調症の病態解明(心の病ではなく脳内の異常)に前進

〜藤田保健衛生大など、統合失調症に似た特徴を持つ遺伝子改変マウスを確立〜

2013年2月

JST課題達成型基礎研究の一環として、藤田保健衛生大学、生理学研究所は
2013年2月、特定の遺伝子を働かなくしたモデルマウスが統合失調症患者で見られる
認知障害や陰性症状を示すことを明らかにしたと発表した。

発症したモデルマウスの脳を解析したところ、
遺伝子発現パターンが統合失調症患者の死後脳と酷似しているほか、
脳波の異常など統合失調症患者の脳と特徴が極めてよく似ていることを確認。

さらに、モデルマウスの脳で慢性的で軽度な炎症が起こっていること、
気分の調節や学習・記憶に関わっている海馬の歯状回とよばれる部位が
未成熟な状態にあることを発見。
抗炎症作用のある薬物(イブプロフェンとロリプラム)を投与すると、
海馬歯状回の未成熟な状態が改善し、
それと同時に行動異常の一部が改善されることが確認された。

今後、抗炎症作用のある薬物と既存の抗精神病薬を組み合わせた投与の効果を、
モデルマウスで検証することが可能となり、
統合失調症の新たな治療法の開発が進むことが期待される。
また、モデルマウスを活用することで、
統合失調症の病因・病態の理解が飛躍的に進むことも期待される。

統合失調症に似た特徴を持つ遺伝子改変マウスを確立
−モデルマウスを使って患者の新しい予防・診断・治療法へ道−

 

【一言コメント】
統合失調症は、総人口の約1%で発症する病です。

本研究によれば、行動および脳の特徴において
統合失調症患者ときわめてよく似ているモデルマウスを確立。
人でもなんらかの遺伝・環境要因により脳内に慢性的で軽度な炎症が起これば、
海馬歯状回の未成熟な状態を引き起こし、
結果として統合失調症が発言するというモデルが想定され、
このモデルに基づいた新たな予防・診断・治療法の開発が期待できるといいます。

未だ “心の病” であると思われている精神疾患ですが、
脳内神経伝達物質のバランスの乱れや脳機能の異常であることが医学的に証明されています。
今回の発見で、統合失調症の病因・病態解明にまた一歩前進しました。

 


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