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260号 ストレスチェック後の就業上の措置について

10月31日

10月は「年次有給休暇取得促進期間」でしたね。

秋は、夏の疲れがぬけないまま、
気候が不安定になったり週末も行楽イベントで忙しかったりして、
疲れを感じやすい季節でもあります。

業務も忙しくて休みどころではないという声も聞こえてきそうですが、
上手にお休みを取りながら、仕事と生活の両面をバランスよく、
健康に過ごせる環境づくりができるとよいですね。

(参考)厚生労働省 仕事休もっ化計画
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000179301_00006.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11911000/000361933.pdf

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本号のトピックス ====================================
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1.ストレスチェック後の就業上の措置について
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2.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.ストレスチェック後の就業上の措置について

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さて、秋はストレスチェックテストを実施されている会社様も多いですね。

ストレスチェック後、高ストレス者面談を行い就業上の措置が必要となったとき、皆様の会社では対応にお困りになったりしていませんか。

今月は就業上の措置と管理職の対応について、考えてみたいと思います。

平成27年4月公示(平成30年8月改正)の『心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づ き事業者が講ずべき措置に関する指針』によると、ストレスチェック結果の通知後の対応として、次の2つが挙げられています。

(ア)面接指導の申出の勧奨

(イ)相談対応

面接指導ののち、結果について医師からの意見の聴取を行い、
事業者が就業上の措置を決定し実施することになりますが、
その際にいくつか注意事項がありますので再確認してみましょう。

(指針p.10より)
事業者が労働者に対して
面接指導の結果に基づく就業上の措置を決定する場合には、

 @あらかじめ当該労働者の意見を聴き

 A十分な話し合いを通じて

 Bその労働者の了解が得られるよう努めるとともに

 C労働者に対する不利益な取扱いにつながらないように
留意しなければならない

とあります。

いかがでしょうか。
皆様の会社はすべてのポイントについて十分に対応できていらっしゃいますでしょうか。

弊社の相談窓口で社員様と直接お話ししていると、
会社にどのような情報が伝わるのか、なにか不利益がないだろうかと、
不安に思っていらっしゃる方も少なくないようです。

上述のCの部分をご説明して安心していただいてはいますが、
実際の運用をなさる担当者様としては個々のケースで苦慮されているかもしれませんね。

弊社では、
オリジナルのストレスチェックテストー my-Mental ー のご提供に合わせ、
きめ細かなコンサルティングをいたしております。

my-Mentalおよびテスト実施後の就業上の措置に関わる様々な問題について、
詳しくお知りになりたい方は
是非貴社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
このメールにご返信ください。

 

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2.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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 今月は、軽度認知症から認知症への移行の抑制にかかわる要因についての研究をピックアップしてみました。女性の方には少し衝撃的でしょうか。どうぞお読みください。

 

軽度認知障害における認知機能低下の加速因子を同定^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

発表者:岩田 淳(東京大学医学部附属病院 神経内科 講師)
岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科
脳神経医学専攻 神経病理学 教授)

◆ 日本人の軽度認知障害において認知機能低下の進行を促進、抑制する因子を特定した。
◆ 認知機能の悪化を促進する因子としては、女性であること、そして女性ではさらに軽度の腎機能低下があることが見出された。この傾向は日本人女性においてのみ見られた。一方で教育年数の長い男性では悪化が抑制された。
◆ 女性では特に高血圧などの生活習慣病の管理が重要である事が示唆された。

 

J-ADNI 研究では、234 名のものわすれを主体とする軽度認知障害の被験者の認知機能を、最長 3 年間追跡しました。そのなかで、認知機能の低下に関与する要素を様々な角度から検討し、性差、教育歴がその進行に対して影響をもつことを見いだしました。女性の軽度認知障害被験者の認知機能は男性に比べて速く悪化しました。教育年数の長い男性の被験者では悪化は緩徐でした。軽度認知障害の背景にはアルツハイマー病以外の疾患も含まれますが、J-ADNI 研究で女性が早く悪化する原因は、アルツハイマー病の方が多く含まれていたためではありませんでした。女性の軽度認知障害の方が悪化し易い要因として、慢性腎臓病のグレードが高いことが見出されました。その理由として、長年の高血圧や動脈硬化によって脳の小血管の障害を来たすことが、認知機能障害の進行に関係することを想定しました。

本研究の結果からは、日本人では高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の改善が軽度認知障害から認知症への移行の抑制に重要であり、その効果は特に女性に顕著であると考えられます。

 

“Effects of sex, educational background, and chronic kidney disease grading on longitudinal cognitive and functional decline in patients in the Japanese Alzheimer’s disease neuroimaging initiative (ADNI) study “
Atsushi Iwata, Takeshi Iwatsubo, Ryoko Ihara, Kazushi Suzuki, Yutaka Matsuyama, Naoki Tomita, Hiroyuki Arai, Kenji Ishii, Michio Senda, Kengo Ito, Takeshi Ikeuchi, Ryozo Kuwano, Hiroshi Matsuda, Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative (ADNI) and Japanese ADNI
Alzheimer’s and Dementia: Translational Research & Clinical Interventions
DOI 番号: 10.1016/j.trci.2018.06.008

 

        ※プレスリリースより一部抜粋して掲載しております