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236号 ストレスチェックと管理職の役割

2016年6月9日

一昨日は、二十四節気の「芒種」。
そろそろ梅雨に入る地方も出てくる頃になりました。
ついこの間「新年を迎え」と言っていたように思うのですが、
時の経つのは早いものです。

その新年の少し前、
昨年の12月に施行された、ストレスチェックの実施義務
施行から半年が経ち、そろそろ実施という企業様も
いらっしゃると思います。

皆様の会社の管理職はどんな役割があるのか正しく理解されていますでしょうか。

では、ここでクイズです。
会社から、管理職にストレスチェック実施義務の説明があったので、
ある管理職が、朝礼で、次のように部下に伝えました。
「皆さん、今回会社でストレスチェックを実施することになりました。
これは労働安全衛生法の改正により、義務となったものです。
皆さんの所に実施の案内が届きます、義務なので、必ず実施するようにしてください。」

さて、この管理職は、ストレスチェックを正しく理解していると言えるでしょうか?

本文に正解を記載しました。

今月はストレスチェックと管理職の役割について、考えてみたいと思います。

※新入社員向け実践型セミナー(東京)のご案内もあります。

 

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本号のトピックス ====================================
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1.ストレスチェックと管理職の役割
管理職のTO DO / NOT TO DO
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2.管理職の正しい理解に向けて
<CSのラインケア研修の例>  
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3.6月の実践型セミナーのご案内

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.ストレスチェックと管理職の役割
管理職のTO DO / NOT TO DO
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先ほどのクイズの答えは分かりましたでしょうか。

正解は「理解しているとは言えない」です。
どこがいけないのでしょうか???

「義務なので、必ず実施するようにしてください。」
ここがいけません。

あれっ?義務化の義務って「実施義務」でしょ?
と思った方、半分合っていて、半分間違っています。

お忙しい管理職の方々は、皆さん上記のように思うのではないでしょうか。

実施義務ですが、義務が課せられているのは「会社」です。
社員には実施の義務はありません。

つまり、会社は1年に1回、ストレスチェックを実施する義務がありますが、
社員は1年に1回、ストレスチェックを実施する義務はないのです。

そこで「義務なので、必ず実施するようにしてください。」は
理解していない発言となるわけです。

同じ様に、
「就業上の措置をしますので、ストレスチェックの点数が悪かった人は申し出てください」
とか
「ストレスチェックの点数が悪かった人は必ず産業医の面談を受けてください」
と管理職が伝えるのも良くありません。

このように、たとえそれが、部下の為を思っての発言であったとしても、
今回のストレスチェック実施義務の中では望ましくない事があります。

この部分を管理職が、具体的に理解をしていないと、
現場で混乱が生じてしまいます。

また、このようなルールの問題だけではありません。

もし上司が、メンタルヘルス障害は心の問題、
気の持ちようの問題だ、メンタルの調子が悪いなんて、要は「やる気」の問題だろう。

などと考えていたらどうでしょうか。
※実際はそういう管理職はまだまだ多いのです

そんな管理職の下にいる社員がそもそもテストを受けるでしょうか。
或いは受けても、真実を記入するでしょうか。

また、折角、ストレスチェックテストを受け、面接指導も実施し、
就業上の措置の必要性があって、人事から連絡があっても
この上司の下では、本来の措置が望めません。

でも、これらを引き起こしているのは、
この上司の管理職としての力量の問題ではありません。
単に、制度や病気に対する理解不足、知識不足が原因なのです。

管理職がきちんとした知識を持ち、理解をしていなければ、
折角のストレスチェックを現場で有効に活かす事ができません。

ではどうしたら、良いのでしょうか。
管理職に理解してもらえばよいのです。

次章で、管理職対象の研修の例を見てみましょう。
併せて、新入社員向けの実践型セミナーのご案内を
「3」でご紹介しています、是非ご覧ください。

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2.管理職の正しい理解に向けて
<CSのラインケア研修の例>
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ストレスチェックご担当の方にとっては明確なことであっても、
普段そのような情報に触れていない、現場の管理職は、
言葉の端々を捉えて、勝手に理解し、
またそれが正しいものと思って行動します。

皆さんの会社では管理職にストレスチェックについて、
どれ位情報を発信していますか?
実施方法の説明だけの発信になっていませんか?

また、メンタルヘルス障害は身体の病気であり、
性格や考え方には拠らないということを
どの位の管理職が理解しているでしょうか?

カウンセリングストリートの研修では、
メンタルヘルス障害とはどんなものか、
分かりやすく、しかも腹落ちした理解になるように
構成されています。

また現場での対応について、具体的なイメージとして持てるように
ケーススタディ/ワークを通して、理解を促します。

更に、ご希望に拠って、
ストレスチェックの実施義務についての趣旨やフロー、
管理職のやってはいけないこと、やるべきことを
研修の中に取り込むことが可能です。

皆様の会社の管理職が何を理解していれば、
ストレスチェックテストの効果がでるのか、
是非御社担当のアカウントマネージャーにご相談ください。

管理職研修の詳しい内容をお知りになりたい方も、
是非、御社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
または、このメールに返信をお願いします。

次の章で、新入社員用の実践型セミナーのご案内があります。
ご覧の上、皆様のご参加をお待ちしております。

 

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3.6月の実践型セミナーのご案内

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■東京にて以下のセミナーを開催します(近日開催!お早めにお申込ください)
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【東京】
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■新入社員向け実践型セミナー <学んだ知識を本当に身に付けるセミナー>
日時:6月21日(火)9:30〜12:30(開場9:15)
場所:東京体育館 サブアリーナ内 第三会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:メルマガ会員企業様 一人参加5000円/人+税 三人以上参加3500円/人+税
一般企業様 一人参加6000円/人+税 三人以上参加4200円/人+税
参加対象:新入社員
内容:■ワーク・実習
・ビジネスマナー(挨拶、言葉遣い、名刺交換等)の完全習得
・仕事の基礎力向上(報連相、PDCAサイクル、プラス思考法)
■講義
・現実、現状を踏まえ仕事の意義を再確認
・挫けないためのセルフ・モチベートと成長イメージング(目標設定、管理)
講師:株式会社アカイビジネスコンサルティング 
代表コンサルタント 赤井泰博
その他:費用振込手数料はお客様負担でお願いします。
開催2営業日前(6月17日)以降キャンセルの場合は返金いたしません。

入社から2〜3ヶ月が経過し、
新入社員は疲労が蓄積し緊張の緩みが生じる時期。
迷い・不安に悩み始める社員が出現し、
気が抜けた、緩慢な状態になる社員も散見されるようになります。
入社前後で徹底的に身に付けたはずの「社会人としての基礎常識」や
「ビジネスマナー」が徹底されなくなる時期でもあります。
こうした時期に初心を振り返り、学んだ知識を本当の実力として
身に付けて頂くためのセミナーです。

 

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で増加
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精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回る
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厚生労働省は 27 日、平成 27 年度の障害者の職業紹介状況を公表した。

ハローワークを通じた障害者の就職件数は、
平成 26 年度の 84,602 件から大きく伸び、90,191 件(対前年度比 6.6%増)となった。
就職率は 48.2%(同 1.0 ポイント上昇)と上昇した。
また、精神障碍者の就職件数が大幅に増加した。

項目別にみると、
精神障害者 新規申込件数 80,579件 対前年度 7,097件増(9.7%増)
就職件数   38,396件 対前年度 3,858件増(11.2%増)
身体障害者 新規申込件数 63,403件 対前年度 1,862件減(2.9%減)
就職件数   28,003件 対前年度 ? 172件減(0.6%減)
と、新規申込件数、就職件数ともに、前年度と比べて増加しており、
また身体障害者の件数と比べても大きく上回っていることが分かった。

一方、平成26年度の患者調査(http://counseling.st/hr/magazine/No/231.php)では
メタルヘルス障害が増加傾向にあることが示されている。

ハローワークでも平成27年からメンタルヘルス不調の従業員の就業継続へのサポート(http://counseling.st/hr/magazine/No/227.php)などを展開している事から、
精神障害者の就業支援の必要性が高くなっていることが垣間見え、
今回の結果とも通ずるように思われる。

今後は精神障害者就業への受け入れ体制や支援制度の整備、
ストレスチェック制度導入など早急にメンタルヘルスの1次〜3次予防の
総合的な対策に取り組むことが重要であることがうかがえる。

厚生労働省 報道発表資料hlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11704000-Shokugyouanteikyokukoureishougaikoyoutaisakubu-shougaishakoyoutaisakuka/0000084782_1.pdf

 

双極性障害(躁うつ病)にデノボ点変異が関与
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−双極性障害患者やその家族とのパートナーシップにより明らかに−
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5月24日 理化学研究所は、双極性障害(躁うつ病)に、
両親にはなく子で新たに生じる「デノボ点変異」が関与していることを明らかにしました。

うつ状態と躁状態を伴う「双極性障害」は、人口の1%弱の人々がかかる疾患で、
「統合失調症」と並ぶ二大精神疾患の1つとされています。

双極性障害は、うつ状態と社会生活に支障をきたす躁状態を伴う「双極I型障害」と、
うつ状態と社会生活にはあまり支障をきたさない程度の軽躁状態を伴う
「双極II型障害」の2種類に分類されます。

通常、子のゲノムは、精子に含まれる父親のゲノムの半分と
卵子に含まれる母親のゲノムの半分を受け継ぎます。
ところが、精子、卵子が作られる際にエラーが生じて、
子のゲノムに両親が持たない変異が生じる場合があります。
これを「デノボ変異」と呼んでおり、ヒトは平均して、
ゲノムのうちタンパク質をコードしている部分である
全エクソンに1個弱のデノボ変異を持っています。

また、デノボ変異は父親が高齢になるほど増えることや、
「自閉症スペクトラム症」や統合失調症では
“タンパク質配列を変化させるデノボ変異”のなかでも
タンパク質の機能を失わせる“機能喪失変異”が多いことが明らかになっています。

理研の研究者を中心とする共同研究グループは、
双極性障害患者とその両親のトリオ79組において、
全エクソン(ゲノムのうちタンパク質をコードしている部分)の塩基配列を解読し、
その特徴について調べました。
※エクソンとは全遺伝子情報のうち特定の情報、タンパク質配列を持つ部分を指します

その結果、一般人口ではタンパク質配列を変化させるデノボ変異がほとんど起きない遺伝子に、
双極性障害患者では、タンパク質配列を変化させるデノボ変異、
タンパク質機能を喪失させるデノボ変異が多いことが分かりました。

他に行った大規模データ解析の結果も含めると、
自閉スペクトラム症や統合失調症と同様に、
双極性障害、特に症状が比較的重い群(双極I型障害と「統合失調感情障害」)では、
タンパク質配列を変化させるデノボ変異が発症に寄与していることが示されました。

今後、どの遺伝子の変異が双極性障害の原因となるのかを特定することで、
双極性障害の原因解明、治療法、診断法の開発につながると期待できます。

理化学研究所 http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160524_3/