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229号 部下の不調に気付いた後の対応

2015年11月13日

日曜日は立冬でした、明日は七十二候の「地始めて凍る」、いよいよ冬が近づいてきました。
南北に長い日本、紅葉が終わったところもあり、これからのところもあります。
年末に向けて忙しくなってきた方もおられると思います。
気温の変化が激しい折、体調にはお気をつけください。

さて、平成25年の厚生労働省「労働安全衛生調査」によると、
「ストレスを相談できる人がいる」と答えた労働者の割合は90.8%です。
そのうち「実際に相談をした人がいる」労働者は75.8%となっています。
それでは、実際に相談した相手は誰でしょうか?
本文に正解を記載しました。

今月は部下の不調に気付いた後の管理職の対応について、
主にコミュニケーションの観点から考えてみたいと思います。

※ラインケア研修の体験会・義務化セミナー(共に東京・大阪・名古屋)のご案内もあります。

 

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本号のトピックス ====================================
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1.部下の不調に気付いた後の対応
コミュニケーションの観点から
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2.部下の不調に気付いた! 次はどうする?
<CSの研修の例>  
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3.12月の研修体験会、義務化セミナーのご案内

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.部下の不調に気付いた後の対応
コミュニケーションの観点から
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先ほどのクイズは考えられましたでしょうか。
平成25年の労働安全衛生調査によると、
1位は「家族・友人」で全体の83.2%です。
2位は「上司・同僚」で全体の75.8%です。
上司と同僚の内訳はありませんのが、少なくとも3/4を上回る人が
会社内に相談先を持っていることになります。

ストレスの内容を見ると「仕事の質・量」「仕事の失敗・責任の発生等」が
一位、二位となっていることから、この場合は上司に相談することも多いと考えられます。

ところが、相談をして、「解消されたか」という問いについては、
約33%の人しか解消していないようです。

いろいろな理由があると思いますが、大きな理由の1つにコミュニケーションの問題があります。

では、もしあなたが、部下のメンタル不調を発見して医師の受診を薦めたところ、
「大丈夫です。医者に行くには及びません」と言われてしまったとします、
なんと答えますか?

さすがに「君はうつ病の可能性があるんだから、つべこべ言わずにすぐ医者に行ってこい」
と言う人は少ないと思いますが、では何と伝えればいいのでしょうか。

なんとか早く受診して欲しいという気持ちは分かるのですが、
どう伝えればいいのか-----。
ちょっと困ってしまいますね。

大きな落とし穴にはまってしまったようです。
「どう伝えれば納得してくれるのか」「どう言ったら分かってくれるのか」
我々はすぐこう考えてしまいがちです。
でもこれでは、事はうまく運びません。

ここで登場するのが、先月号でもでてきた「傾聴」です。
実はどう伝えるかではなく、どう聴くかが大切なのです。

例えば、周りの人がいくら言っても禁煙ができない人がいたとします。
家族もどう言ったら分かってくれるのかと頭を悩ましています。
この状況も同じです。
どう伝えるかではなく、どう聴くかが解決に向けての第一歩なのです。

上記二つの例では、それぞれに何らかの思いがあるはずです。
その思いを分かってあげることが必要です。
そうなれば相手の話を受け入れるような信頼関係ができてきます。

ここで「分かってあげる」といっても、
必ずしも相手の思いが賛同できる内容のものとは限りません。
でも大丈夫です、「この人はこのように考えている」と分かってあげれば良く、
これが「受容・共感」と呼ばれているものです。

これらをうまく使うには、それなりの知識とスキルが必要となります。
そのためには、効果的な研修を実施することが必要です。

では次のユニットで、「部下の不調に気付いた後の対応」を適切にできるにようにするため、
カウンセリングストリートの研修では、どのように扱っているか見てみたいと思います。

 

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2.部下の不調に気付いた! 次はどうする?
 <CSの研修の例>
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傾聴の研修は初級編と中級編があります。

初級編は傾聴の基礎の知識とスキルを学ぶもので、
先月のメールマガジンに掲載したものになります。

部下の不調に気付いた後の具体的な対応についてが、
中級編となります。

中級編は、「部下の体調を確認する場面」「受診促しの場面」など
現場で起こる具体的な対応について考えていくものですので、
「メンタルヘルス障害の知識」と「傾聴の知識」が
共に必要となります

総論ではなく、具体的な文言を検討していきます。

例えば、部下と面談をして、体調が悪いことが分かった上司が、
「話を聞いてみると、かなり具合が悪そうだね。一度医者に行ったらどうだ?」
と言ったとします。

皆さんはこの発言をどう思いますか?
「医者には行きたくないです。」と返されそうです。

どこがいけないのでしょうか。
折角面談をして、不調が把握できたのに、
突然上司の考えを押し付けてしまっていますね。
でも上司の気持ちは良く分かります。

思い出してください、
「どう伝えるかではなく、どう聴くかが大切なのです」

このように具体的な例を検討しながら、
傾聴を深く理解できるようにするものが中級編です。

研修を体験したいという方には12月に研修体験会を予定しています。
次項3を是非ご覧ください。傾聴の中級編は体験会の「ラインケア研修(実践編)」に
含まれています。

 

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3.12月の研修体験会、義務化セミナーのご案内

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■東京・大阪・名古屋にて以下のセミナー・研修体験会を開催します。

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【東京】
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■好評につき追加開催! <企業ご責任者様向けストレスチェック義務化セミナー>
日時:12月8日(火)13:15〜14:45
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
参加対象:企業のご責任者様とさせていただきます
内容:・導入までに企業は何をしなければいけないのか?(準備のポイントは?衛生委員会は?)
・導入までに産業医に何をしてもらう必要があるのか?
・導入する上での懸念点をどう解決するか?
・今の訪問頻度では産業医の係わりがあまり期待できない。(頻度を増やすしかないのか?)
・産業医のいない事業所は、どうやって面接指導をしたらいいのか。
・会社への情報提供に同意しない社員は放置していいのか。
・テストの実施をこれまで通り外部に委託していいのか。
等について省令・ガイドライン等の最新情報からお伝えするとともに、
義務化に対応した弊社チェックテスト「my-Mental」についてご説明いたします。

■発症者を減らすためのラインケア研修<ラインケア研修(実践編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中の企業様に限定させていただきます】
日時:12月8日(火)9:30〜12:00
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:ラインケア実践編<部下の不調に気づいた!次はどうする?>
・部下との面談の際の基礎となる「傾聴」の知識スキルを学ぶ
・部下との体調確認/受診促進面談の知識スキルを学ぶ
・実際の部下との面談対応を行うイメージを持つ
※少人数で実施します

 

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【大阪】
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■好評につき追加開催! <企業ご責任者様向けストレスチェック義務化セミナー>
日時: 12月15日(火)17:00〜18:30
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
参加対象:ご責任者様とさせていただきます
内容:・導入までに企業は何をしなければいけないのか?(準備のポイントは?衛生委員会は?)
・導入までに産業医に何をしてもらう必要があるのか?
・導入する上での懸念点をどう解決するか?
・今の訪問頻度では産業医の係わりがあまり期待できない。(頻度を増やすしかないのか?)
・産業医のいない事業所は、どうやって面接指導をしたらいいのか。
・会社への情報提供に同意しない社員は放置していいのか。
・テストの実施をこれまで通り外部に委託していいのか。
等について省令・ガイドライン等の最新情報からお伝えするとともに、
義務化に対応した弊社チェックテスト「my-Mental」についてご説明いたします。

■発症者を減らすためのラインケア研修<ラインケア研修(実践編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中の企業様に限定させていただきます】
日時:12月15日(火)13:30〜16:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:ラインケア実践編<部下の不調に気づいた!次はどうする?>
・部下との面談の際の基礎となる「傾聴」の知識スキルを学ぶ
・部下との体調確認/受診促進面談の知識スキルを学ぶ
・実際の部下との面談対応を行うイメージを持つ
※少人数で実施します

 

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【名古屋】
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■好評につき追加開催! <企業ご責任者様向けストレスチェック義務化セミナー>
日時: 12月17日(木)17:30〜19:00
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
参加対象:ご責任者様とさせていただきます
内容:・導入までに企業は何をしなければいけないのか?(準備のポイントは?衛生委員会は?)
・導入までに産業医に何をしてもらう必要があるのか?
・導入する上での懸念点をどう解決するか?
・今の訪問頻度では産業医の係わりがあまり期待できない。(頻度を増やすしかないのか?)
・産業医のいない事業所は、どうやって面接指導をしたらいいのか。
・会社への情報提供に同意しない社員は放置していいのか。
・テストの実施をこれまで通り外部に委託していいのか。
等について省令・ガイドライン等の最新情報からお伝えするとともに、
義務化に対応した弊社チェックテスト「my-Mental」についてご説明いたします。

■発症者を減らすためのラインケア研修<ラインケア研修(実践編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中の企業様に限定させていただきます】
日時:12月17日(木)13:30〜16:00
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:ラインケア実践編<部下の不調に気づいた!次はどうする?>
・部下との面談の際の基礎となる「傾聴」の知識スキルを学ぶ
・部下との体調確認/受診促進面談の知識スキルを学ぶ
・実際の部下との面談対応を行うイメージを持つ
※少人数で実施します

 

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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ヒトのうつ病診断基準を満たすモデルマウスの作製に成功‐治療開発の大きな進歩に期待
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10月20日、理化学研究所の研究グループは、
ヒトのうつ病診断基準を満たすモデルマウスの作製に成功したと発表した。

現在、うつ病や躁うつ病の治療薬は、全ての症状に有効であるとは言えず、
画期的な新薬の出現が望まれている。
しかし、創薬の進展を阻害する要因の一つとして、
ヒトのうつ病などと同じような症状を示す動物モデルが存在しないことがあった。

今回、研究グループは、ミトコンドリアの機能異常によって起きる
遺伝病「慢性進行性外眼筋麻痺」が、うつ病や躁うつ病を併発する確率が高いことに注目。
その原因遺伝子の変異が、神経のみで働くマウスを作製した。

このマウスの活動を観察すると、
うつ病の診断基準(興味喪失、睡眠障害、緩慢な動作、社会行動障害)を満たしているほか、
抗うつ薬投与の効果の出現や、副腎皮質ホルモンの増加など、
ヒトのうつ病患者と同様の生理学的な変化も見られた。

また、モデルマウスの脳を調べたところ、脳の中心部にある視床室傍核に
異常なミトコンドリアDNAが蓄積されており、
この部位がうつ病の発生に関連している可能性も明らかとなった。

今回、ヒトのうつ病などと類似した症状を示すマウスの作製に成功したことで、
今後、うつ病などに対する新たな診断方法、治療薬の開発に大きな進歩が出てくることが
期待される。

報道発表(理化学研究所):http://www.riken.jp/pr/press/2015/20151020_1/

 

レム睡眠の意義を科学的に証明-うつ病などの治療法の開発への応用に期待
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10月23日、筑波大学と理化学研究所の共同研究グループは、
レム睡眠の役割を初めて科学的に証明したことを発表した。

レム睡眠は、夢を生じさせていることは広く知られているものの、
レム睡眠が何故必要であるのか、その役割については長いこと、不明なままであった。

今回、共同研究グループは、脳の中でレム睡眠とノンレム睡眠の切り替えを行う部位を特定し、
レム睡眠の増減を自在に操ることのできるマウスを開発した。
このマウスのレム睡眠を増加させると、
ノンレム睡眠中に脳波の一種であるデルタ波が強く出現し、
逆に減少させると、デルタ波が弱くなる現象がみられた。

デルタ波は、学習や記憶形成に重要な脳活動である。
このことから、レム睡眠にはノンレム睡眠中のデルタ波を誘発する役割があり、
その結果、レム睡眠が脳の発達や、学習に貢献している可能性があることが明らかとなった。

従来の研究では、
うつ病などの患者には睡眠中のデルタ波の減少が見られることが知られている。

デルタ波の増加はレム睡眠の増加に関連していると考えると、
レム睡眠の減少がノンレム睡眠中のデルタ波の減少につながり、
脳の機能に影響を及ぼしていることが推測される。

今後、うつ病などの発症メカニズムの解明、治療法の開発に大きな進展が見られることが期待される。

報道発表(筑波大学):http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/151023hayashi4.pdf