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224号 上司が職場でメンタル不調を見つけるには

2015年6月11日


いよいよ梅雨の時期へと入ってまいりました。
しとしと、じめじめ嫌な季節と思われがちですが、
晴れていれば、太陽が一番北にあり日光も強い時期です。
間に雲があって比較的気温が抑えられ、さらに植物には恵みの雨と考えれば、
少しは梅雨の時期の株も上がらないでしょうか。

一昨日「実施者向け 義務化セミナー」を東京で開催し、
企業からのお申し込みの方を含め、多くの実施者の方のご参加をいただきました。
今回都合がつかなかった方からのご要望も頂いておりますので、
追加日程および企業向けセミナーを本文でご案内しています。

※CSでは初となる、今話題のNLPの公開講座のご案内もあります。

さて、今月は「上司が職場でメンタル不調を見つけるには」を取り上げます。

最近はストレスチェックの義務化に話題の陰に隠れて、
その基盤となる、「全体のメンタルヘルス対策」や、
会社や管理職に課せられている「安全配慮義務」
の影が薄いのですが、
厚生労働省がテスト義務化の指針でも述べているように、
全体のメンタルヘルス対策や安全配慮義務の多くを占める2次・3次予防
を忘れてはいけません。

いつも比較的身近に接している上司が部下の不調に気づき、
対処することは、「発症を防ぐ」ためには非常に有効です。

この辺りの対処については、過去のメールマガジンでも何回か触れていますが、
なかなか難しいという声をよく聞くものの1つに
「部下が本当のことを話してくれているのかわからない」
「調子が悪そうなので面談をしても、大丈夫ですとしか言わない」
などの部下とのコミュニケーションの難しさがあります。

今回は前々号に引き続き「部下とのコミュニケーション」に焦点を当てて、
「上司が職場でメンタル不調を見つけるには」を考えてみたいと思います。

 

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本号のトピックス ====================================
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1.上司が職場でメンタル不調を見つけるには
部下とのコミュニケーション
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2.信頼関係を作るコミュニケーション
 <CSの研修の例>
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3.7月の体験会、義務化セミナー、公開講座のご案内

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.上司が職場でメンタル不調を見つけるには
部下とのコミュニケーション
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こんなことを考えて見ましょう。

a) 特急電車に乗っていて、たまたま、隣の人と話をするようになりました。

この段階ではたとえ相手に聞かれたとしても、
自分の抱えている問題などの話を正直に伝える人は少ないのではないでしょうか。
「いろいろですねぇ」とか「まあまあの感じで過ごしてますねぇ」などと
曖昧な返事でお茶を濁したりします。

b) 少しずつ話しているうちに同じ市の出身で、生家も比較的近いことが分かりました。

さて、この段階では、ちょっとしたことであれば、
ある程度真実を伝えたりすることもでてくるのではないでしょうか。

c) 更に話をしているうちに、同じような生活環境で、同じような問題を抱えていることが分かりました。

この段階になると、お互いに持っている情報を交換したり、抱えている問題について、
相談してもいいかな、と思ったりすることがあります。

a) の状況とc)の状況では何が違っているのでしょうか?

一言で言うと
「この人なら、自分のことを正直に話してもいいかな」
という信頼関係があるかないかの違いになります。

信頼関係ができると、自分の状況や問題を正直に話してもいいかなあ、
という気持ちになってきます。

日常生活では、「出身地が同じ」「同じ学校の卒業」「趣味が同じ」「家庭環境が似ている」など
自分と同じようなことが多く見つかるほど、親しみがわき、信頼関係が生まれやすいものです。

一方、上司と部下の関係ではどうでしょうか?
共通点が常にあるとは限りません。
では、どうやって、
「この上司なら、自分のことを正直に話してもいいかな」
という信頼関係を作ればいいのでしょうか。

これが作れない為に
「部下が本当のことを話してくれているのかわからない」
「調子が悪そうなので面談をしても、大丈夫ですとしか言わない」
という状況が生まれてしまうのです。

つまり、信頼関係がなければ、部下のメンタル不調を職場で見つけるのは難しい
ということになります。

ここで重要なのは、部下が「上司は自分の事を良く分かってくれている」と思うことです。
これを可能にする1つが「傾聴」になります。

では次のユニットで、CSの研修の例を見ながら、傾聴について考えて見ます。

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2.信頼関係を作るコミュニケーション
<CSの研修の例>
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上記1.の通り、「職場でメンタル不調を見つける」観点からも、
部下との信頼関係を構築することは非常に大切です。
ではどうすれば信頼関係を構築できるのでしょうか?

大切なのは【部下の話を「正確に」理解する = 真意を理解する】ことです。

部下の話を「正確に」理解するには、「自分の価値観を通さず聴く」ことが必要になります。
そこで必要となるのが、『傾聴』の知識とスキルです。

カウンセリングストリートのラインケア研修実践編では
「発症を減らす」観点から、この『傾聴』理論を使って、
部下とのコミュニケーションの取り方についてお伝えをしています。

傾聴では部下の話を「自分の価値観ではなく、部下の価値観を通して聴く」ことを重視します。
そうすると部下は「自分の事を分かってくれている」と感じ、
安心感や信頼感を持つようになります。

そうなれば、部下は自分のことを正直に話し、上司のいう事を受け容れるようになります。
結果、上司が部下のコンディションを把握したり、
受診の促しや休養の促しを行なうことが可能になるのです。

しかしこの「相手の価値観を通して話を聴く」ことは実際には非常に難しいことです。
「相手の価値観を通して話を聴く」ってどういうこと?そんなの出来るわけないじゃないか。
と思ってしまいますね。

また、たとえ理屈が分かったとしても、実際には思わず相手の話に反発したり、
知らず知らずのうちにアドバイスや批評をしてしまいがちです。

そこで弊社では「現場で役に立つ」研修とするために、
座学編とロールプレイイング編の両面でお伝えをしています。

傾聴の基本知識を座学編で分かりやすく学び、管理職が腑に落ちた段階で、
ロールプレイなどの演習を用い、
部下の話を「自分の価値観を通さず聴く」ことの難しさを体験しながら、
「部下の価値観を通して話を聴く」スキルを学んでいきます。

更に難易度を上げた研修では部下の体調を確認する場面、受診促しの場面など、
実際によくあるケースを演習で用いながら研修を行なっていきます。

「発症を減らす」ために、カウンセリングストリートの
ラインケア研修実践編をぜひお役立てください。

詳しくは御社担当のアカウントマネージャー、または
magazine@counseling.stまでご連絡ください。

 

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3.7月の体験会、義務化セミナー、公開講座のご案内

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■東京にて以下の研修体験会、義務化セミナー及び公開講座を開催します。

参加ご希望の方は
御社担当アカウントマネージャーにご連絡いただくか、または
magazine@counseling.st まで、
参加ご希望の都市名(東京)、講座名、開催日と
会社名、部署名、お名前、電話番号をお書きの上
メールにてご連絡ください。
※定員になり次第締切となります。お早めにお申込ください。

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【東京】
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■ラインケア研修の体験会
<発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中の企業様に限定させていただきます】
日時:7月7日(火)13:30〜15:45
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:<部下のうつを確実に見つけるために>
◆メンタルヘルス障害の基礎知識(どんな病気なのか、発症の原因、治療内容等)を理解する
◆部下のメンタルヘルスケアにおける管理職の義務と役割を理解する
◆早期発見・対処のポイントを理解する 
※少人数で実施します

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■好評につき追加開催! <企業様向けストレスチェック義務化セミナー>
(満席が予想されますので早めにお申込みください)
日時:7月7日(火) 10:00〜11:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
対象:企業のご責任者向けの内容となっております
内容:・施行日までに企業は何をしなければいけないのか?(準備のポイントは?衛生委員会は?)
・施行日までに産業医に何をしてもらう必要があるのか?
・導入する上での懸念点をどう解決するか?
・今の訪問頻度では産業医の係わりがあまり期待できない。(頻度を増やすしかないのか?)
・産業医のいない事業所は、どうやって面接指導をしたらいいのか。
・会社への情報提供に同意しない社員は放置していいのか。
・テストの実施をこれまで通り外部に委託していいのか。
等について省令・ガイドライン等の最新情報からお伝えするとともに、
義務化に対応した弊社チェックテスト「my-Mental」についてご説明いたします。

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■好評につき追加開催! <実施者(医師・保健師等)向けストレスチェック義務化セミナー>
(満席が予想されますので早めにお申込みください)
日時:7月29日(水) 19:30〜20:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
対象:実施者となる資格をお持ちの方(医師、保健師等)
内容:・本制度において、実施者はどのような立場なのか?
・実施者は何をしなければいけないのか?(衛生委員会との関わりは?)
・施行日までに企業と何を取り決める必要があるのか?
・実施者としての懸念点は? 
・今の訪問頻度が増えることになるのか。
・実施の責任は企業なのか、実施者なのか。
・面接指導も産業医がやるのか。
・精神科医、診療内科医でないと実施者にはなれないのか。
等について省令・指針等の最新情報からお伝えするとともに、
義務化に対応した弊社チェックテスト「my-Mental」についてご説明いたします。

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■公開講座 今話題のNLPを職場に活かす
<職場内パートナーシップトレーニング>
【参加条件:外部委託による研修を検討中または検討予定の企業様に限定させていただきます】
日時:7月16日(木)9:30〜11:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:「NLPペーシング」の技法を使い以下のような職場の問題に対処します
◆部下に何度言っても指示が正確に伝わらない
◆部内や部門間における伝達ミスが多い
◆プロジェクトチームを作ったがまとまりを欠き、想定していた成果がなかなか出せない
◆会議などでありきたりのやり取りに終始し、建設的な会議にならない
◆開発会議、ブレスト等で、創造性や独創性(企画力)に欠けるため、
自社の優位性を構築したり、他社との差別化が図れないでいる

 

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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(1)高濃度水素水は睡眠の質、自律神経のバランスを改善する−大阪市立大学など研究グループ発表
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大阪市立大学などの研究グループは、高濃度水素水のもたらす効果に関する研究発表を行った。

今回の研究では4週間にわたる調査を実施。
高濃度水素水を毎日600ml摂取した群と、通常の飲料水を同じ量だけ毎日摂取した群とに分け、
それぞれ質問票(睡眠の質、疲労度など)のスコア、
自律神経機能を評価する疲労度計の数値をもとに比較検討を行った。

その結果、質問票での調査では、高濃度水素水を摂取した群は、
摂取前に比べて摂取後の睡眠の状況が良好なスコアを示していた。
このことは睡眠の質が改善していることを示唆するものである。
一方、通常の飲料水の群では、摂取前後で有意な差はみられなかった。

また、疲労度計による交感神経活動の指標値では、高濃度水素水を摂取した群は、
摂取前に比べて数値が低下していた。
通常の飲料水の群では、数値に有意な差はみられなかったため、高濃度水素水の摂取は、
日常ストレスによる交感神経活動を抑制するはたらきを持つことが明らかになった。

睡眠の質や交感神経の活動は、メンタルヘルスと密接な関連を持っている。
今回の研究は、高濃度水素水の摂取がメンタルヘルスの改善に有益である可能性を示すものとなった。

今後、高濃度濃度水素水のもたらす効果について、さらなる研究が進むことが期待される。

 

(2)自殺対策の更なる推進を目指す。今後の法改正も視野に。−参議院厚生労働委員会決議
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参議院厚生労働委員会は、6月2日、
「自殺総合対策の更なる推進を求める決議」を全会一致で可決した。

自殺対策基本法が施行されてから来年で10年。
自殺対策が地域レベルで浸透してきたこともあり、5年連続で自殺者数は減少しているものの、
まだまだその数は高止まりにある。
今回の決議では、現状は楽観できるものではないとの認識のもとでの政府に対する提言である。

決議では、自殺対策の本質は「生きる支援」であるという概念を前面に出し、
「生きることの促進要因」を増やすことで、社会全体の自殺リスクの低下を図るべきとしている。

関係省庁が自殺防止に向けて一体となって総合的に対策を推進すること、
地域レベルで実践的な取り組みが進むように、組織の改編、恒久的な財源の確保を図ること、
相談機関につなげるための体制の強化、自殺未遂者のサポートや若年者への教育の推進など、
今回の決議での項目は11個にのぼる。

決議では政府に対する対策の推進を要求するとともに、今後、自殺対策基本法の改正など、
法整備に取り組む決意も表明されている。