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短期療法

短期療法
( たんきりょうほう )

短期療法は催眠療法家で精神科医であったミルトン・エリクソン(Erickson,M. )から派生してきた心理療法。
その考えに影響を受けた学者たちが各々の流派を発展してきたため、短期療法といっても色々な考えがある。

短期療法は、病理や問題というものを、個人を取り巻く環境との相互作用の中で捉え、その相互作用の変化を促すことを目的としている。
過去や原因を探るのではなく、問題に直接介入し、今困っている問題の解決を図るということ。


<短期療法のアプローチ>

【1】悪循環
グレゴリー・ベイトソン(Bateson,G)を筆頭に展開された理論をよりどころとしたMRIアプローチでは、悪循環への臨床的介入がある。
問題が生起し、その問題を解決しようと問題対処行動が行われるが、この対処行動自体が、また問題を起こし、問題を維持し、循環している可能性があることから、これを一種の悪循環パターンと考え、この悪循環を断ち切ることで解決を図るということ。
そのため、問題に対して何が原因かということに目を向けず、原因を探す必要はないという考えを持っている。

【2】例外
解決志向アプローチのド・シェイザー(de Shazer)は「問題には必ず例外が存在する」という観点を提示している。症状や問題の悪い影響が及んでいない『例外』に注目し、その例外を『すでに解決している部分』と認識して、すでに自ら経験している「解決している経験」なため、その解決行動はその個人や集団の構造にフィットしていることから、それを拡大的に発展させることで問題部分を縮小し、解決を図ることができると考えている。

この2つの考えから、悪循環パターンには、問題行動を維持している対処行動以外の行動-do different- を試みて悪循環を断ち切り、良い循環、すなわち例外やうまく行っている部分を拡張し維持する-do more- ことによって良い循環も保ち、解決を図ることが可能となる。

このように、短期療法は問題に直接介入することにより、結果的に短期の解決を目指していく療法。



例えば、社員が 夜眠れない と相談してきた場合、どうして眠れないのか?などと、眠れないことの原因やその分析に焦点を当てるのではなく(悪循環を断つ)、”現状を改善する方向” に焦点を当て、早期解決を図る。

最近、眠れたのはどういう状態のときですか?などの質問で「眠りにつく30分前にリラックスした状態で
電気をつけたまま横になれば自然と眠くなったことがある」等(例外)を引き出す。

まずは30分前にゆっくりすることなど、 簡単に取り組めることから実践し、例外の状態が維持され、現状の改善(ゴール)に近づくよう支援する。

 

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