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2018年3月
東京大学医学系研究科の岡部教授らの研究グループは、
これまで注目されてこなかった、シナプスの破壊に直接的に関わる分子に着目し、
初期神経発生の過程で重要な役割を持つ分子であるBMP4(骨形成因子4)が
記憶や高次認知機能に重要な海馬や大脳皮質のシナプスを除去することを示しました。
BMP4は軸索末端に存在するシナプス前部から放出されますが、
その受け手は通常の神経伝達物質の場合の様に樹状突起ではなく、
同じ軸索末端側でした。
更に放出されたBMP4は細胞表面に留まってシナプスの近くに長く存在し、
局所的に働くことがわかりました。
このようなBMP4の性質は通常の神経伝達物質のふるまいとは大きく異なり、
新しい神経回路の制御機構であると考えられます。
今回新しく発見されたシナプスを積極的に壊すメカニズムは、
精神疾患・発達障害の患者に認められる脳神経回路の障害の理解、
さらにはこれら疾患の診断・治療にも結び付くことが期待されます。
参考文献:Synapse elimination triggered by BMP4 exocytosis and presynaptic BMP receptor activation