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−天然型塩基に別の塩基を修飾した核酸アプタマーの創製−

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唾液中のストレスマーカーを検出する人工核酸の開発に成功
−天然型塩基に別の塩基を修飾した核酸アプタマーの創製−

2017年4月

NEC ソリューションイノベータ株式会社(以下 NEC ソリューションイノベータ)と国立大学法人群馬大学大学院理工学府(以下群馬大学)は、
ストレスにより増減する唾液中のアミラーゼのみに結合する核酸アプタマー(※)の開発に成功したと発表した。

近年、精神的または肉体的ストレスによって引き起こされる疾患の増加は大きな社会課題となっている。
そのため、従来の心理療法に加え、疲労やストレスなどの体調を反映するバイオマーカーの検出に対するニーズが高まっている。

唾液は生体に影響なく採取できる生体サンプルであり、
唾液中のアミラーゼを用いてストレス状態を把握する研究が進められている。
唾液中のアミラーゼは交感神経の直接神経作用とノルエピネフリンの制御との両作用で分泌され、
ストレスにより唾液中のアミラーゼ濃度が増加すると言われており、糖尿病との関連も指摘されている。

NEC ソリューションイノベータと群馬大学は、
2014 年より「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」の採択を受け、
人工核酸によるバイオマーカー簡易検出センサの技術開発を行っていた。
これまで唾液アミラーゼをはじめとするストレスマーカーに対して
結合する核酸アプタマーの開発は困難であった。
天然型塩基を用いて、唾液アミラーゼに結合する核酸アプタマーの創製を試みてきたが、
十分な結合特異性を示すものは得られなかった。

そこで本研究は、天然型塩基に別の塩基を修飾する新しいコンセプトに基づいて、
核酸アプタマーを設計・合成した。
この修飾塩基の合成技術により、様々な修飾塩基を用いて開発を行った結果、
唾液アミラーゼに対して高い結合特異性を示す核酸アプタマーの創製に成功した。
さらに、この修飾核酸アプタマーを用いて唾液アミラーゼ検出用の簡易試験紙を作製し、
実際の唾液中でアミラーゼが検出できることを確認しました。

今回の開発に基づき、今後は、
これまで開発が困難とされていた他のストレスマーカーに結合する核酸アプタマーの開発と、
簡易試験紙と比較してストレスの変化量をより正確に測定できる、
誰でも簡単に健康をチェックできる社会の実現を目指すと述べている。

(※)生物の設計図であるDNAやそれから合成されるRNAのような核酸は、
4種類の成分でできており、その並び方(配列)が遺伝情報になる。
1990年代、多様な核酸配列の中から、検査対象物にだけ強く結合する配列を探し出す技術が確立し、
そのような核酸配列をアプタマーと呼ぶようになった

 

唾液中のストレスマーカーを検出する人工核酸の開発に成功

 


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