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精神障害の労災申請が過去最多−厚労省、平成25年度の労災補償状況を公表

2014年7月


厚生労働省は、6月27日、平成25年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を公表した。 精神障害の労災請求については、前年度を152件も上回る1409件となり、過去最高を記録。支給は436件で、爆発的に増加した前年に比べると減少ではあるものの、23年度の325件より高い数字となった。その背景には、「心理的負荷による精神障害の認定基準」が平成24年度から適用となり、認定の事務スピードが大きく向上したことが一因と考えられる。
年代別で見ると、請求、支給ともに30代〜40代の働き盛りが全体の6割を占めた。
全体の労災認定率は36.5%だが、支給件数が30件以上の職種でみると、「輸送、機械運転従事者」(自動車運転など)40.5%、「専門的・技術的職業従事者」(IT関連、看護師など)39.4%、「生産工程従事者」(製造現場など)39.2%で高い認定率となっている。
精神障害発生に最も影響を与えたと考えられる出来事は、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」(55件)、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」(55件)、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」(49件)と、上位3件は前年同様であった。また、「1か月に80時間以上の時間外労働を行った」が34件と、長時間労働との関連を示す一方で、支給案件それぞれの労働時間では、時間外労働時間が20時間未満の場合も89件という結果が出ている。精神障害には、長時間労働のみならず、職務内容の変更、ハラスメントも大きな影響を与えている。

平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を公表

 

【一言コメント】
数値を見ると、請求件数が大幅に伸びているのにもかかわらず、支給決定件数が前年度より減少しており、認定されにくくなったのかと思う方もいらっしゃると思いますが、一概にそうも言えません。
「決定件数」というものがあり、定義に「当該年度内に業務上又は業務外の決定を行った件数で、当該年度以前に請求があったものを含む」とあります。要はその年に判断が行われた件数のことなのです。
それを見ますと、25年度は1193件でした。つまり、1409件の申請があったものの1193件しか処理ができておらず、少なくとも216件はまだ決着がついていないということが分かります。前年からの繰越分があるので、単純比較はできませんが、24年度は40件でしたので、未決着の請求案件がかなり残っていることがうかがえます。
上記のような状況で支給件数が39件ほど減少したということであれば、大きな流れとして、精神障害の原因が業務上と判断される確率は確実に増していると理解していいのではないでしょうか。

 

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