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抗うつ剤、効き目は重症度で変わる可能性−米研究

2010年1月

軽度から中等度のうつ病には、抗うつ薬を飲んでも効果がないか、あってもわずかとみられるとの研究結果が、5日の米内科学会誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)」に発表された。
米ペンシルベニア大学の研究チームは、一般的に処方される抗うつ薬(ADM)と偽薬(プラセボ)の治療効果の比較のため、抑うつ気分や仕事への興味など、うつ病の症状を点数化したハミルトンうつ病評価尺度で重度から軽度のうつ病と評価された成人718人を対象に6つの研究を実施した。
その結果、抗うつ薬は、重度の症状を伴った患者には効果が見られた一方で、軽度から中程度の患者は、重度のうつ病に対して、抗うつ薬治療の効果はまったくないかごくわずかだった。
研究者は論文で、抗うつ薬に対する重度以下のうつ病治療に対する効果を証明するためには証拠が十分でないとしている。
Abstract: http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/303/1/47

 

【一言コメント】
重症度半分以下のうつ病患者には、抗うつ薬の治療効果がまったくないかごくわずかである可能性が高いことが、米研究により示されました。
当該研究によると、ハミルトンうつ病評価で25点(全体のおよそ半分程度の重症度)以上の患者は、プラセボに比して抗うつ薬の効果に有意差が見られるが、25点未満の患者では有意差が認められませんでした。
ただし、軽・中程度のうつ病に対する治療効果を調べる研究は少なく、証拠が十分でない点に留意しなければなりません。引き続き他研究の結果もご紹介していきたいと思います。

 

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