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世界初:理化学研究所、うつ病と統合失調症の2系統モデルマウス開発に成功

2007年5月

― 精神疾患の解明や治療法の開発に貢献する貴重な変異マウス系統を確立 ―

統合失調症は思春期以降に世界人口の1%ほどの人が発症するといわれ、また、うつ病の発症率は10%とされ、特に働き盛りの日本人において増加傾向にあるといわれている。ともに発症の原因やメカニズムがよくわかっておらず、その解明と、予防・治療法の開発が待ち望まれている。

今回、独立行政法人理化学研究所、理研ゲノム科学総合研究センター、個体遺伝情報研究チームの権藤洋一プロジェクト副ディレクター・チームリーダーは、カナダ、イギリスの研究チームとともに遺伝子組み換え技術を用いない方法(理研ENUジーンドリブンマウスミュータジェネシスシステム)で、うつ病と統合失調症の2系統のモデルマウス開発に成功した。
Disc1タンパク質の31番目のグルタミンがロイシンにアミノ酸置換したL系統はうつ病モデルマウス、また、100番目のロイシンがプロリンに突然変異を起こしたP系統は統合失調症モデルマウスであることを明らかにした。
疾患症状の実験解析は、行動学的診断、解剖学的診断、生化学的解析、薬理学的解析の4種類を行っている。

同じ遺伝子上の違った点突然変異(※1)が、うつ病と統合失調症という異なる精神疾患モデルマウスとなる例はこれまでなく、それぞれの精神疾患の解明や治療法の開発に大きく貢献するばかりでなく、ヒトの精神構造の成り立ちそのものを基礎研究の面から解明して行く上でも貴重なモデル例として期待されている。

 

※1 点突然変異
化学物質などを使って、ゲノム遺伝子上にランダムに誘発される1塩素の変異。理研ではアルキル化剤であるエチルニトロソウレア(ENU)を用いているので、ENUマウスミュータジェネシスとも呼ばれる。

理研ゲノム科学総合研究センター公表情報
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/070504/detail.html

 

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