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向精神薬「リタリン」、薬事審が「うつ」に係る効能効果を削除

2007年10月

依存性が高く乱用が問題となっている向精神薬「リタリン」(一般名・塩酸メチルフェニデート)について、製造販売元ノバルティスファーマ社(東京都港区)が、医薬品医療機器総合機構を通じて厚生労働省に「難治性うつ・遷延性うつ」の効能取り下げを申請したところ、厚生労働省、薬事・食品衛生審議会の部会は、リタリン効能からうつ病を外すことを了承した。

また、適応症をナルコレプシー(注1)に限定し、各製造販売業者に適切な流通管理の実施を義務づけることを決めた。
薬物依存を含むリタリンのリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとで行なわれるとともに、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じることとした。

厚労省によると、副作用が重い一部の抗がん剤や医療用麻薬は処方できる医師を制限しているが、向精神薬の処方を制限する措置は初めてで、医療用麻薬並みの厳しい規制という。

リタリンは、世界中で販売されているが、うつ病の効能が認められているのは日本のみ。
医師が適切な診断をしないまま安易に処方したり、インターネットで不正に売買されるなどの問題が指摘されていた。

 

【解釈のポイント】
向精神薬「リタリン」は気分を高揚させる働きがあるとして、うつ病患者へ投与されていたところ依存症になる患者が続出。それを受けて、製造販売元であるノバルティスファーマ社は、リタリンの適応(効能効果)から「うつ病」を削除する上、同薬を処方できる医師や医療機関を限定し、流通規制を実施するよう厚生労働省に申請したところ、それが了承された。ただし、睡眠障害「ナルコレプシー」に関しては、正確に診断できる専門医らを登録する見通しで、その適応は残る。

 

(※注1)
ナルコレプシーとは、居眠り病とも言われる代表的な過眠症。日本人の約600人に1人が患っているとされるが、実際に治療を受けている人は少ない。
中核症状として、日中耐え難い眠気のために短時間の居眠りを反復することと、情動脱力発作(得意になったり、笑い、怒り、興奮、驚きなど強い喜怒哀楽をきっかけに筋緊張が突然喪失する)があり、また、金縛りや入眠時に悪夢などの幻覚を伴うことが多い。

【参考資料】
2007年10月17日
薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会
リタリンコンサータに関する議決

 

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