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252号 ストレスフルな状況でも問題を抱えないために(ストレス耐性強化)

2018年2月15日

今年は、本当に寒い日が続いておりますが、
皆様お変わりありませんでしょうか。

昨日は七二候の魚上氷(うおこおりをいずる)でした。
水がゆるみ割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。
ということですが、今年は当てはまりませんね。
風邪などひかないようにどうぞご自愛ください。

さて、今回のメールマガジンは、
「ストレス耐性強化」をテーマとして
見てみたいと思います。

さて、ここでクイズです。

先月も記載した「平成28年労働安全衛生調査」ですが、
それによると、約60%の労働者が、
「なんらかの仕事上の強いストレスがある」と答えています。
それでは、その3年前の平成25年の調査では、どうだったでしょうか。

1 28年の調査より少なかった
2 28年の調査と同じ位
3 28年の調査より多かった

正解は本文に記載いたしました。

※研修体験会(東京・大阪・名古屋)のご案内
もあります。

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本号のトピックス ====================================
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1.ストレスフルな状況でも問題を抱えないために
ストレス耐性強化
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2.3月開催 研修体験会のご案内
「ストレス耐性強化研修」
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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.ストレスフルな状況でも問題を抱えないために
ストレス耐性強化
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先程のクイズの答えはいかがでしょうか。
今回は簡単だったでしょうか。

正解は
1 28年の調査より少なかった
です。

25年の調査によると、約50%となっています。
この3年間で10ポイントほど増えています。

28年調査の6割というのは皆さんはどのように
感じられますでしょうか。

ある一つの事をストレスと感じるか、感じないかは
人によるのですが、とにかく、6割の人が「強いストレス」を抱えています。

言い換えれば、
会社で働くことは、もっと押し進めて言えば社会生活をすれば
様々なストレスを受けることになり、
我々は、これを避けることはできないものです。

とは言っても、同じような状況で、メンタル不調になる人もいれば、
ならない人もいるわけですが、それは何が影響しているのでしょうか。

1984年まで、アメリカの電話事業はAT&Tという会社が独占をしていました。
つまり競争のない業界だったのです。
1984年以降、電話事業の自由化が認められ、突然熾烈な競争のある業界へと変貌を遂げ、
メンタル不調となる社員の増加が顕著になりました。
でもその状況の中で、メンタル不調にならない社員もいたわけです。
同じ状況下でメンタル不調になる社員とならない社員がいるのはなぜか?
アメリカで研究が始まりました。

その結果、
各人には「ストレス耐性」というものがあり、
それが人によって違いがあるので、不調となる社員とならない社員がいる
ということが分かってきました。

ストレス耐性とは、一言でいうと
「ストレスフルな環境下でも発症を予防する力」
です。

ちょっと考えてみてください
あなたがもし、達成が難しいとされる全く新しいプロジェクトの
プロジェクトリーダーを任されましたとしましょう。
さあ、皆さんはどう感じますか?

A) 内容は良く分からないけど、難しいとされているんだから嫌だ、
全く新しいプロジェクトなんて、どうやれば分からないから嫌だ

に近いですか、それとも

B) まあ苦労はあるだろうけど、新しいことをするのは楽しい、
難しいことに挑戦するのはやりがいがある、

に近いですか?

Aの人はストレスを感じやすいですし、Bの人は感じにくいはずです。
自分の持っている「ストレス耐性」が影響を与えているのです。

※似たものに、ストレスコーピングというのがありますが、
これは、一旦Aと感じていた人が、いろいろ考えて、Bという考え方もあるから
Bと考えてみよう。 という対処法のことを指します。
ストレス耐性は、プロジェクトリーダーを任されたと認識した時に、
即座に出てくる感覚、思いに影響を与える力です。

ストレス耐性は、自ら、その力を強くすることが可能です。
これがストレス耐性強化です。

我々は、子供時代から今までに、意識はせずともストレス耐性は強くなっています。
子供の頃には泣いていたことが、今起きても泣かなくなっていますね。

ストレス耐性は自然に強くなるものですが、
その強化のポイントを知れば、効率的に強化することができるものです。

これは、現代社会に生活をしていくために、誰でもが身につけたい知識ですね。

ストレス耐性強化研修について、詳しくお知りになりたい方は
是非御社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
このメールにご返信ください。

また、次項に、ストレス耐性強化研修の体験会のご案内があります。
是非ご参加ください。

 

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2.3月体験会のご案内
「ストレス耐性強化研修体験会」
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■東京・大阪・名古屋にて以下の無料セミナーを開催します。
参加ご希望の方は貴社担当アカウントマネージャーに直接ご連絡いただくか、または
magazine@counseling.st まで、
ご希望の都市名(東京/大阪/名古屋)、講座名、開催日と
貴社名、部署、お名前、電話番号をお書きの上
メールにてご連絡ください。
※定員になり次第締切となります。お早めにお申込ください。

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【東京】
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■ストレス耐性強化研修体験会<ストレスに耐える力を上げるには>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年3月22日(木)13:30〜15:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:<ストレスに耐える力を上げるには>
◆自分のストレス耐性を認識する
◆ストレス耐性とは何かを理解する
◆ストレス耐性を強化するには何が必要なのか理解する
◆具体的な強化の方法を学び、実践計画を立てる
※少人数で実施します

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【大阪】
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■ストレス耐性強化研修体験会<ストレスに耐える力を上げるには>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年3月9日(金)13:00〜15:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:<ストレスに耐える力を上げるには>
◆自分のストレス耐性を認識する
◆ストレス耐性とは何かを理解する
◆ストレス耐性を強化するには何が必要なのか理解する
◆具体的な強化の方法を学び、実践計画を立てる
※少人数で実施します

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【名古屋】
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■ストレス耐性強化研修体験会<ストレスに耐える力を上げるには>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年3月20日(火)13:30〜15:30
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:<ストレスに耐える力を上げるには>
◆自分のストレス耐性を認識する
◆ストレス耐性とは何かを理解する
◆ストレス耐性を強化するには何が必要なのか理解する
◆具体的な強化の方法を学び、実践計画を立てる
※少人数で実施します

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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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統合失調症患者の日常生活技能をニューロモデュレーションで改善
〜経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いた世界初の試み〜
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国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
(NCNP、東京都小平市 理事長:水澤英洋)
トランスレーショナル・メディカルセンター
(センター長:和田圭司)情報管理解析部長 住吉太幹らの研究グループは、
経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current current stimulation, tDCS)が、
統合失調症患者の日常生活技能や認知機能を改善する可能性を初めて見出しました。

研究グループは、認知機能障害が統合失調症患者の
社会復帰に大きく影響を及ぼすことに着目し、
「統合失調症の認知機能障害に対する経頭蓋直流電気刺激の効果に関する研究」を立案しました。

統合失調症は一般人口の約1%が罹患する精神疾患です。
主な症状として幻覚や妄想などの陽性症状、
意欲低下や感情の平板化などの陰性症状、
そして記憶、注意力などの認知機能の障害が挙げられます。

認知機能に依存し、より上位の機能レベルに位置する、
金銭管理やコミュニケーション力など日常生活技能の改善は、
患者の社会復帰に直結します。
そのため、より効果的な治療法の開発が求められています。

tDCSとは、1-2 mA程度の微弱な電流を頭皮上から当てる方式の
ニューロモデュレーションで、麻酔の必要がなく、
副作用のリスクが小さいなどの利点があります)。
これまで主にうつ病に対する有効性が、メタ解析の結果などで示されています。

研究グループは、統合失調症患者に対してtDCSによる刺激を
1回20分、1日2回、5日間に施行しました。
その結果、最終刺激から1ヶ月後に、日常生活技能が治療前と比べて
有意に改善しました。また、認知機能、精神病症状、
抑うつなども有意な改善を認めました。

今回の研究結果からtDCSが統合失調症の日常生活技能を改善し、
社会復帰に役立つ可能性が示唆されました。

この臨床試験はtDCSが統合失調症の日常生活技能を
改善することを示した初めての研究です。
研究の結果は、tDCSなどのニューロモデュレーションが、
患者の社会復帰を促進する可能性を示します。

同時に、tDCSが統合失調症におけるうつ症状を改善することも、
初めて示されました(これまで、うつ病におけるうつ症状への
tDCSの効果は報告されています)。
今回の結果は、統合失調症治療におけるtDCSの有用性が多岐わたる可能性を示唆します。

用語解説
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)
頭皮上に設置した電極を通して微弱な電流を流し、
脳神経細胞の活動を修飾する方式のニューロモデュレーションです。
1回あたりの刺激時間は30分以内と比較的短く、
麻酔の必要がなく、副作用のリスクが低いという利点があります。
電極の設置部位、施行回数および日数については様々な試みがあります。
これまで主にうつ病に対する効果が示されており、
抗うつ薬と遜色ない効果を見出した無作為化比較試験もあります。

参考文献:Possible Facilitative Effects of Repeated Anodal Transcranial Direct Current Stimulation on Functional Outcome 1 Month Later in Schizophrenia: An Open Trial.

 

睡眠中に脳回路がクールダウンされる仕組みを解明
〜「生物はなぜ眠るのか」という生命科学最大の謎の一つに迫る〜
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東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二教授らの研究グループは、
睡眠中に海馬の神経回路がどのようにクールダウンされるのかを明らかにしました。
本研究成果は、2018年2月8日のScience誌(オンライン版)に掲載されました。

海馬が学習や記憶に関わっていることは古くから知られています。
しかし、神経細胞の数には限りがあるため、
そのままでは脳内が記憶情報で飽和してしまいます。
そのため何らかの「クールダウン」の機構が海馬に備わっていると
長らく予想されていました。

研究グループは、海馬から発生する「sharp wave ripple(以下、SWR)」という脳波が、
睡眠中にシナプスの繋がり度合いを弱めていることを突き止めました。

この現象は、眠る直前に学習した情報をコードする
ニューロン群では生じませんでした。
つまりSWRは、必要な情報を確保しながら、不要なシナプスを弱めることで、
記憶キャパシティを確保することが明らかになりました。

また、睡眠中のSWRを阻害するだけで、睡眠不足の状態を
十分に再現できることから、睡眠の目的の一つは
「SWRを出して回路をクールダウンするため」であると言えます。

本研究成果は、脳回路の機能制御における睡眠の役割を解明し、
「生物はなぜ眠るのか」という根源的な問いに、一つの明確な答えを提示するものです。

自閉スペクトラム症や統合失調症などでは、
睡眠中の SWR の発生が乱れ、脳回路の興奮性が高いことも知られています。

本研究グループでは「睡眠中に SWR による脳回路のクールダウンが
生じないことが多様な精神症状に引き起こす」という仮説をたて、
その検証と治療法の確立に取り組んでいます。

同様に、老人の脳でも SWR 発生低下や脳回路過剰興奮が知られています。
実際、一部の老人では自閉スペクトラム様の症状(頑固、社会性欠如など)
および統合失調症様の症状(せん妄、被害妄想)などが生じます。

超高齢者社会を迎える現在、老人の社会不適応に対処するための
医療制度および改善方法の構築が急務となっています。
同研究グループでは、SWR の観点から老年性症状を
回復できる可能性についても模索していきます。

用語解説
sharp wave ripple (SWR)
ノンレム睡眠時や静止覚醒時に海馬でよく観察される脳波。
周波数が 5-20Hz ほどの鋭波には、約 200Hz のリップル波が
重なってあらわれます。
SWR の発生時に直前の記憶に関与した
ニューロンがリプレイされることは記憶の固定化に
重要な役割を果たしていると考えられています。

参考文献:Hippocampal Ripples Downregulate Synapses