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251号 若年層社員のセルフケア

2018年1月18日

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

明後日1/20から2/4の立春まで、「大寒」となります。
日本の最低気温も大体この辺りに記録されたとのことです。
寒の水、寒卵など、体に良さそうなものもこの季節ですね。
でも風邪をひかないようにどうぞご自愛ください。

さて、今回のメールマガジンは、
「若年層社員のセルフケア」をテーマとして
見てみたいと思います。

さて、ここでクイズです。

昨年の9月7日に厚生労働省から「平成28年労働安全衛生調査」が公表されました。
それによると、20-29歳の場合
約60%の労働者が、なんらかの仕事上の強いストレスがあると答えています。
また、ストレスについて相談する人がいると答えた人は全体の約93%
実際に相談した人は全体の約87%でした。
では、相談をして、「ストレスが解消した」と答えた人は、
相談した人の何%位だったでしょうか?

1 20%
2 40%
3 60%

正解は本文に記載いたしました。

※研修体験会(東京・大阪・名古屋)のご案内
もあります。

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本号のトピックス ====================================
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1.若年層社員のセルフケア
若手社員が能力を発揮できるために
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2.2月開催 研修体験会のご案内
「新入社員向けセルフケア研修」
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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.若年層社員のセルフケア
若手社員が能力を発揮できるために
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先程のクイズの答えはいかがでしょうか。

正解は
2 40%
です。

発表によりますと、20-29歳の場合、相談をした人の
37.7%の人が「ストレスが解消した」と答えています。
この数値をどう見るかは意見が分かれるところと思いますが、
少なくとも約6割の人のストレスが解消されていないことは事実です。

そこで必要になるのが、社員一人一人が行うセルフケアです。
過度なストレスは、脳の疲れを引き起こし、
メンタルヘルス障害に繋がる可能性があります
自分自身でストレスに向き合い対処する方法を身につけ、
実践していくことが、メンタル不調予防に有効です。

セルフケアの領域には、いろいろなものがありますが、
今回は、その中から、
1) ストレスケア(ストレスコーピング)
2) メンタルケア
を取り上げます。

まずは1番目のストレスケア。
仕事をしていれば、誰でもが、ストレッサー(ストレスを起こすもの)に
遭遇します。働いている限り、これを避けることはできません。
しかし強いストレスを抱えた場合、放っておいたら不調を引き起こします。

ストレスケアは、ストレッサーに遭遇し、ストレスを抱えた時に、
どのように自分自身で対処(コーピング)するかがメインテーマです。
我々はストレスコーピングを知らず知らずのうちにやっているものですが、
その内容を知り、意識して行うことで、
更に効果的なコーピングを行うことが可能になります。

例えば、「ストレスが溜まってきたから、温泉に行こう」
これは、立派なストレスコーピングなのですが、
温泉に行って、ずっと仕事の事を考えていたら、効果的なコーピングになりません。

また、強いストレッサーが突然入ってきて、「どうしよう、どうしよう」と
パニックを起こしていたら、良い問題解決もできません。

効果的なコーピングをするためには何が必要なのか理解することが大切です。

次にメンタルケア。
ストレスコーピングを実行していても、
メンタルヘルス障害になってしまうことがあります。
そんな時は、できるだけ早く見つけて対処することが大切です。

上司が部下の不調を見つけるものを「ラインケア」といいますが、
今回は自分で自分の不調を見つけるものです。
これがメンタルケアです。

メンタルヘルス障害の知識については共通する点がほとんどですが、
発見の手掛り(サイン)は、部下の不調を見つけるのと、
自分自身で見つけるのとでは若干の違いがあります。

まずはメンタルヘルス障害に対する誤解を解いて、受診のハードルを下げ、
次に自分で不調を見つける方法を理解することが大切です。

皆様の会社では、もう少しで、新入社員が入ってくるかと思いますが
新入社員は生活習慣が大きく変わり
それだけで、ストレスを受けるものです。
更に、業務の負荷、人間関係等と多くのストレッサーに囲まれます。

新入社員こそストレスケアを理解していることが重要と言えます。

セルフケア研修について、詳しくお知りになりたい方は
是非御社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
このメールにご返信ください。

また、次項に、セルフケア研修の体験会のご案内があります。
是非ご参加ください。

 

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2.2月体験会のご案内
「新入社員向けセルフケア研修体験会」
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■東京・大阪・名古屋にて以下の無料セミナーを開催します。
参加ご希望の方は貴社担当アカウントマネージャーに直接ご連絡いただくか、または
magazine@counseling.st まで、
ご希望の都市名(東京/大阪/名古屋)、講座名、開催日と
貴社名、部署、お名前、電話番号をお書きの上
メールにてご連絡ください。
※定員になり次第締切となります。お早めにお申込ください。

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【東京】
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■新入社員向けセルフケア研修体験会<自らが発症予防できるようになるために!>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年2月22日(木)13:30〜15:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:<自らが発症予防できるようになるために!>
◆なぜセルフケアが必要なのか?
◆メンタルヘルス障害の基礎知識
◆何が出来るのか?(ストレスケアとメンタルヘルスケア)
◆ストレスケア〜ならないためのストレス対処法(ストレスコーピング)
◆メンタルヘルスケア〜なってしまった時のために
※少人数で実施します

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【大阪】
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■新入社員向けセルフケア研修体験会<自らが発症予防できるようになるために!>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年2月15日(木)13:00〜15:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:<自らが発症予防できるようになるために!>
◆なぜセルフケアが必要なのか?
◆メンタルヘルス障害の基礎知識
◆何が出来るのか?(ストレスケアとメンタルヘルスケア)
◆ストレスケア〜ならないためのストレス対処法(ストレスコーピング)
◆メンタルヘルスケア〜なってしまった時のために
※少人数で実施します

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【名古屋】
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■新入社員向けセルフケア研修体験会<自らが発症予防できるようになるために!>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年2月20日(火)13:30〜15:30
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:<自らが発症予防できるようになるために!>
◆なぜセルフケアが必要なのか?
◆メンタルヘルス障害の基礎知識
◆何が出来るのか?(ストレスケアとメンタルヘルスケア)
◆ストレスケア〜ならないためのストレス対処法(ストレスコーピング)
◆メンタルヘルスケア〜なってしまった時のために 
※少人数で実施します

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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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双極性障害(躁うつ病)とうつ病の前頭葉体積の違いが明らかに
〜MRIにより診断の判別が可能となることに期待〜
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山口大学大学院医学系研究科高次脳機能病態学講座の
松尾幸治准教授、原田健一郎助教、山形弘隆講師、
渡邉義文特命教授らの共同研究グループ*は、
日常診療で使用するMRI(エムアールアイ)を用いて脳の画像を撮り、
多数の双極性障害(躁うつ病)とうつ病の患者さんの脳の体積を計測したところ、
双極性障害の患者さんはうつ病の患者と比べて、
前頭葉の一部である背外側前頭前皮質と前帯状皮質という2つの部位の体積が
小さいことが明らかになりました。

双極性障害(躁うつ病)とうつ病の患者さんはうつ状態になることがあります。
この2つの疾患は治療法が異なるにもかかわらず、
うつ状態は非常に似ているため、診断を正しく判別することは診療上大変重要です。
そのため、客観的にこの2つの疾患を判別できる指標を探す研究が進められています。

その一つとして、脳のMRI研究がありますが、
2つの疾患について直接比較した研究はわずかで、
その違いは明らかになっていませんでした。

この研究では、
うつ状態の双極性障害患者とうつ病患者と健常者(合計1531人)の
脳のMRI画像を集めて脳のさまざまな部位の体積を測定しました。

その結果、うつ病患者群と比べて双極性障害患者群は、
前頭葉の一部である左右の背外側前頭前皮質と
前帯状皮質という部位の体積が小さいことが示されました。

また、患者群全体では、健常群と比べて右の前帯状皮質と
左下前頭皮質という部位が小さいことが示されました。

さらに、米国の参加者で再検討したところ、同様の結果となり、
広く一般的に言えそうだということもわかりました。

今回の結果は、
双極性障害とうつ病の脳の仕組みの違いを明らかにする助けとなり、
将来的にMRI検査により客観的は判別と診断が可能となり、
さらにこれらの部位を回復させる新たな治療法の開発の
ヒントになることも期待されます。

こういった研究がさらに進めば、同じうつ状態を示す双極性障害と
うつ病が脳のMRI検査により判別できるようになり、
より適切な治療を行えるようになるばかりでなく、
これらの部位をターゲットにした新たな治療法の開発のヒントになることも期待されます。

参考文献:Distinctive neuroanatomical substrates for depression in bipolar disorder versus major depressive disorder

 

免疫活性化を起因とする不安・恐怖亢進メカニズムの解明
〜病気で不安になる仕組みの一端を発見〜
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理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター粘膜免疫研究チームの
シドニア・ファガラサン チームリーダー、宮島倫生研究員、
章白浩特別研究員らの共同研究グループは、
マウスを用いて免疫活性化を起因とする不安・恐怖亢進メカニズムを明らかにしました。

私たちは病気になると不安になったり、恐怖を感じたりする場合もあります。
それには、どのようなメカニズムが働いているのでしょうか?

病気のときに私たちの体を守る免疫細胞には、
T細胞、B細胞、樹状細胞などがあります。
なかでもT細胞は、活性化されると細胞内代謝を変化させて持続的に増殖します。

しかし、持続的なT細胞の活性化が細胞外の全身性のメタボローム
(細胞や組織における低分子化学物質・代謝物質の総体)に
与える影響は分かっていませんでした。
また、免疫系と神経系の生理システムの相互作用についても多くの謎が残されています。

今回、理研を中心とする共同研究グループは、
慢性免疫活性化モデルである「PD-1欠損マウス」を解析し、
活性化T細胞により血液中のメタボローム変化が起こることで
行動も変化することを明らかにしました。

具体的には、
1)まず、全身のリンパ節でT細胞が活性化・増殖し、
活性化したT細胞ではアミノ酸トランスポーターの発現が上昇、
トリプトファンなどの芳香族アミノ酸を細胞内に多量に取り込み、
その結果、血液中ではこれらのアミノ酸が減少します。
トリプトファンは、神経伝達物質のセロトニンの前駆体です。
2)脳内では、前駆体アミノ酸が減少するのに伴い、
セロトニンが減少し、その結果、不安様行動が亢進し、
恐怖反応が増強します。

このように、免疫活性化に起因する前駆体アミノ酸の減少による
神経伝達物質の欠乏が不安様行動や恐怖反応の亢進を引き起こすという、
免疫系と神経系の生理システムの相互作用の一端が示されました。

精神疾患の中には、免疫活性化に伴うメタボローム変化に起因して
発症する場合があることが予想されます。
今後、実際の精神疾患の患者において、
免疫系の活性化、免疫系遺伝子の変異、
メタボローム変化を調べることで、
これまで不明だった発症原因の解明につながると期待できます。

参考文献:Metabolic shift induced by systemic T cell activation in PD-1-deficient mice perturbs brain monoamines and emotional behavior

用語説明
1.T細胞
免疫応答に関与するリンパ球の一種。
前駆細胞が胸腺での選択を経て分化成熟することでできる細胞。

2.メタボローム
メタボロームは、生体内の細胞や組織における
低分子化学物質・代謝物質の総体を指す呼称。
遺伝子(gene)の総称をゲノム(genome)と呼ぶのに
なぞらえた代謝系全体を意味する造語であり、
代謝物質の網羅的解析はメタボローム解析と呼ばれる。

3.PD-1
T細胞活性化により誘導される、免疫反応を負に制御する抑制性共受容体。
PD-1遺伝子の欠損や抗体によるPD-1の中和は、
T細胞の活性化や感染、腫瘍に対する免疫増強につながる。

4.トリプトファン
タンパク質を構成するアミノ酸の一種で、芳香族アミノ酸に分類される。

5.セロトニン
モノアミン神経伝達物質の一種で、トリプトファンから脳内で合成される。
気分、不安、攻撃性、恐怖といった多くの行動を制御する。

6.神経伝達物質
シナプス(神経細胞間などに形成される神経活動に関わる接合部位)
で情報伝達を介在する物質。
セロトニンやドーパミンは代表的な神経伝達物質。

7.トランスポーター
物質の膜通過に関与する膜タンパク質。
アミノ酸トランスポーターは、アミノ酸輸送を担う膜タンパク質のこと。