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250号 会社と管理監督者の義務(安全配慮義務)

2017年12月14日

いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
今回、本メールマガジンはおかげさまで、
250号を迎えることができました。
今後ともよろしくお願いします。

一昨日は七二候の「熊蟄穴(くまあなにこもる)」でした。
秋に食物を沢山食べたクマが、そろそろ冬ごもりを始める頃です。
人間も暖かい炬燵と蜜柑で過ごしたいと思うところですが、
月は師走、そうも言っていられません。
早くしないと一年が終わってしまいます。

さて、今回のメールマガジンは、
「会社と管理監督者の義務(安全配慮義務)」をテーマとして
見てみたいと思います。

さて、ここでクイズです。

ストレスチェックも終了し、そろそろ、結果報告を労働基準監督署に
提出する頃かと思います。
では、ある事業場の実施者をその事業場の産業医ではなく、
本社の産業医にやってもらったとします。
報告書の「検査を実施した者」には次のどれを記入すればいいでしょうか?

1 事業場選任の産業医
2 事業場所属の医師(1以外の医師に限る)、保健師、看護師又は精神保健福祉士
3 外部委託先の医師、保健師、看護師又は精神保健福祉士

正解は本文に記載いたしました。

※研修体験会(東京・大阪・名古屋・仙台)のご案内
もあります。

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【お知らせ】
弊社の年末年始スケジュールは、
12月28日が今年の最終営業日
新年は1月5日から業務を開始いたします。
よろしくお願いします。
本年も大変お世話になりました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
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本号のトピックス ====================================
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1.会社と管理監督者の義務(安全配慮義務)
ストレスチェック以外の義務
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2.12月〜1月開催 研修体験会のご案内
「my-Mentalオプション研修・ラインケア基礎研修」
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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.会社と管理監督者の義務(安全配慮義務)
ストレスチェック以外の義務
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先程のクイズの答えはいかがでしょうか。

正解は
2 事業場所属の医師(1以外の医師に限る)、保健師、看護師又は精神保健福祉士
です。

1は事業場選任の産業医で、報告書に産業医として、氏名を記入する医師です。
3は外部委託ですので、これも違います。
「事業場所属の」という部分が少々気になりますが、
2が正解となります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-2.pdf
のQ19-4をご覧ください。

さて、先月は、その報告書にも記載する、
「検査を受けた労働者」「面接指導を受けた労働者」
の人数を増やす為にということで、考えてみました。

今回は、ストレスチェック以外に会社と管理監督者に課せられている
「安全配慮義務」について改めて考えてみましょう

ストレスチェックの主たる目的は一次予防とされているため、
少し存在が薄くなった感があるのですが、
安全配慮義務は、以前から会社と管理監督者に課せられている義務であり、
それが無くなったわけではありません。

そして、安全配慮義務は、ストレスチェックとは違い
2次予防、3次予防の領域が主たるものとなります。
つまり、早期発見、早期対処、そして、その後の再発予防です。

**********
カウンセリングストリートのmy-Mentalは
単に1次予防だけのチェックテストではなく
2次予防、3次予防にも対応できるテストとなっていますので、
まだお使いになられていない企業様は、次回是非ご検討ください。
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テストは、実施した時の状況はわかりますが、
実施していない時の状況は分かりません。
そこは、管理職が発見することが望まれますし、
管理職が早期発見することは、とても効果のある方法です。

但し、一人一人の管理職が、その義務を認識して、
職場で、日頃から注意して部下と接していくことが必須となります。

その為には、管理職がメンタルヘルスに対する正しい知識と
義務の知識・意識を持っていなければなりません。

カウンセリングストリートでは、my-Mentalのオプションとして、
管理職の研修をご用意しています。
研修は、
1) ストレスチェックとmy-Mental、そして、メンタルヘルス障害の基礎知識のコース
2) 上記1に加えて、管理職の義務となっている安全配慮義務を含めたコース
を準備しています。

my-Mentalオプション研修について、詳しくお知りになりたい方は
是非御社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
このメールにご返信ください。

また、次項に、my-Mentalオプション研修・ラインケア研修の体験会のご案内があります。
是非ご参加ください。

 

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2.12月〜1月体験会のご案内
「my-Mentalオプション研修体験会」                          
「発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会」
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■東京・大阪・名古屋・仙台にて以下の無料セミナーを開催します。
参加ご希望の方は貴社担当アカウントマネージャーに直接ご連絡いただくか、または
magazine@counseling.st まで、
ご希望の都市名(東京/大阪/名古屋/仙台)、講座名、開催日と
貴社名、部署、お名前、電話番号をお書きの上
メールにてご連絡ください。
※定員になり次第締切となります。お早めにお申込ください。

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【東京】
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■my-Mentalオプション研修体験会<受検率を上げるために/面接指導率を上げるために>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年1月23日(火)9:30〜11:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:<受検率を上げるために/面接指導率を上げるために>
◆ストレスチェック制度とは?(制度のねらい/実施の流れ など)
◆ストレスチェックテストmy-Mentalの特徴・便利な機能
◆管理職が現場で出来ることとは?
◆メンタルヘルス障害/管理職の法的義務役割について
※少人数で実施します

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【大阪】
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■my-Mentalオプション研修体験会<受検率を上げるために/面接指導率を上げるために>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2017年12月22日(金)13:00〜15:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:<受検率を上げるために/面接指導率を上げるために>
◆ストレスチェック制度とは?(制度のねらい/実施の流れ など)
◆ストレスチェックテストmy-Mentalの特徴・便利な機能
◆管理職が現場で出来ることとは?
◆メンタルヘルス障害/管理職の法的義務役割について
※少人数で実施します

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【名古屋】
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■my-Mentalオプション研修体験会<受検率を上げるために/面接指導率を上げるために>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年1月23日(火)13:30〜15:30
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:<受検率を上げるために/面接指導率を上げるために>
◆ストレスチェック制度とは?(制度のねらい/実施の流れ など)
◆ストレスチェックテストmy-Mentalの特徴・便利な機能
◆管理職が現場で出来ることとは?
◆メンタルヘルス障害/管理職の法的義務役割について 
※少人数で実施します

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【仙台】
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■ラインケア研修の体験会 <発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:2018年1月24日(水)13:30〜15:30
場所:仙都会館 JR仙台駅 徒歩5分、JR仙石線あおば通駅 徒歩1分、地下鉄広瀬通駅 徒歩3分
参加費用:無料
内容:<部下のうつを確実に見つけるために>
◆メンタルヘルス障害の基礎知識(どんな病気なのか、発症の原因、治療内容等)を理解する
◆部下のメンタルヘルスケアにおける管理職の義務と役割を理解する
◆早期発見・対処のポイントを理解する 
※少人数で実施します

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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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肥満と認知機能障害の関連が大うつ病性障害で明らかに
〜肥満は、脳の皮質体積の減少や神経ネットワークの低下と関連する〜
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国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:水澤英洋)の
神経研究所(所長:武田伸一)疾病研究第三部の功刀浩部長および秀瀬真輔医師らのグループは、
大うつ病性障害患者における体格指数(BMI, body mass index)が30以上の肥満が、
認知機能低下と脳構造変化に関連することを初めて明らかにしました。

大うつ病性障害は、一般に「うつ病」と称される病気の中で、
治療を要する典型的なものをいいます。
気分の落ち込みや興味・関心の低下といった諸症状に加えて、
記憶、学習、問題解決能力、巧緻運動(こうちうんどう)などの認知機能が低下します。
家庭や職場において発症前にはできていた活動ができなくなってしまう場合があり、
臨床的に重要な問題となることが少なくありません。
近年、肥満と大うつ病性障害には共通の病態が指摘されていますが、
肥満がうつ病患者に臨床上どのような影響を及ぼしているのかよくわかっていませんでした。

本研究では、うつ病患者の認知機能や脳の構造への肥満の関与について検討しました。
その結果、BMIが30以上の肥満は、大うつ病性障害患者における
作業記憶、実行機能、巧緻運動速度などの認知機能の低下と
関連していることがわかりました。

また、核磁気共鳴画像法(MRI)脳画像を用いた検討では、
BMIが30以上の肥満患者は、BMIが30未満の患者と比較して
脳の一部の皮質体積が有意に縮小しており、
神経ネットワーク(白質繊維の形成)の指標も低下していることが明らかになりました。

今回の研究成果から、肥満が脳に傷害を与え、
それによってうつ病の認知機能低下を悪化させていることが考えられます。
適切な食事や運動を心がけ、体重を適正にコントロールすることが
うつ病という心の病気においても重要であることが示唆される結果です。

これまでうつ病の治療は、薬物療法と精神療法が主体でしたが、
当研究の知見は、それら加えて栄養学的アプローチが
治療法の一つになりうることを示しています。

今後、肥満の治療、すなわち減量が、認知機能や脳の形態の改善につながるかについて
縦断的研究や介入研究を行っていく必要があります。

参考文献: Association of obesity with cognitive function and brain structure in patients with major depressive disorder

 

過剰な恐怖を和らげるしくみ
〜オレキシンによる新たな恐怖調節経路を発見、PTSD治療に光明〜
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筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の
征矢晋吾助教、櫻井武教授らの研究グループは、
睡眠覚醒を制御する脳内物質オレキシンが、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)などで見られる
「汎化」と呼ばれる現象においても重要な役割を果たしていることを発見しました。

オレキシンは、脳幹の青斑核という部分に存在する神経細胞群に働きかけ、
恐怖を感じるレベルを制御していることが明らかになりました。
この作用は、オレキシンがその受容体(OX1R)に
結合することによるものでした。
オレキシンの新たな機能が明らかになったという点でも、本研究成果はきわめて画期的です。

本研究成果はNature Communicationsオンライン版にて2017年11月20日に公開されました。

動物は恐怖を感じたとき、無意識のうちにそのときの環境、
周囲にあったもの、音、匂いなどをその恐怖と結び付けて記憶します。
そして、後に同じ状況に陥ったり、同じ感覚を感じたりすると恐怖を覚え、
行動や自律神経系に変化が現れます。

本来これは、危険を示唆する状況を避けて生存確率を高めるための
合目的的な反応なのですが、ときに反応が強く起こりすぎてしまうこともあります。

また、恐怖を感じたときに聞いた音、匂いなどの感覚、周囲の環境が、
正確に同じでなくても、似たものや関連するものである場合も
恐怖を惹起することがあります。

これは「汎化」と呼ばれる現象で、
多様な環境に柔軟に適応し生存していく上で不可欠な反応です。
しかしそれが適切なレベルを超えてしまうと、
恐怖を感じる必要がない状況や感覚に対しても恐怖を感じてしまい、
強いストレスにより精神的に大きな負担を感じたり
日常生活に支障をきたしたりします。
この状態の代表例が心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。

汎化は、より柔軟に環境に対応して危険を回避する上で必要な機能ですが、
適切なレベルに制御されないと、過剰応答が起こってしまいます。

これまでの研究では、
汎化のレベルがどの物質によってどのように調節されているのか、
ほとんどわかっていませんでした。

恐怖や危険を感じる状況では、オレキシンニューロンが興奮することが知られています。
そこで本研究グループは、オレキシンに着目し、
特定の神経細胞を任意のタイミングで操作できる
遺伝子改変マウスを用いて研究を行ないました。

その結果、オレキシンが脳幹の青斑核という部位で
ノルアドレナリンを作り出す神経細胞群(NA ニューロン)を刺激し、
環境に対して感じる恐怖に関連した行動を調節していることを発見しました。

恐怖記憶は、脳の深部に存在する扁桃体という部位に記憶されています。
オレキシンによる刺激をうけた NA ニューロンは、扁桃体の外側部分に働きかけ、
あらかじめ成立していた恐怖記憶を汎化させ、恐怖の応答を強めることが明らかになりました。

オレキシンは、
その受容体(OX1R)と結合することにより、恐怖のレベルを調節していました。
つまり、オレキシンのOX1R への結合を妨げる物質(拮抗薬)を用いれば、
PTSD に見られるような過剰な恐怖反応やパニック発作を
抑制することができる可能性があります。

オレキシン受容体拮抗薬はすでに不眠症の治療薬として
実用化されていますが、今回発見された新たな効用については、
さらなる検討が必要です。

注1)汎化
恐怖を感じたときに聞いた音、匂いなどの感覚、周囲の環境が、正確に同じでなくても、似たものや関連するものである場合も恐怖を引き起こす現象。心的外傷後ストレス障害(PTSD)はその典型的な症状。

参考文献:Orexin modulates behavioral fear expression through the locus coeruleus