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245号 ストレスチェックテストと管理職の研修

2017年5月31日

今日は72候の「麦秋至る」です。
梅雨がやってくる前の、麦が熟して畑一面が黄金色になる時期です。
とはいえ、南北に長い日本、沖縄では既に梅雨です。
大型連休後に気持ちが緩んだ方も通常に戻って、
業務をこなされていることと思います。

さて、今月のメールマガジンは、
管理職研修をストレスチェックの側面から見てみたいと思います。

さて、ここでクイズです。
今回国が設定したストレスチェックの実施義務の主目的は一次予防とされていますが
では、企業や管理職に義務付けられている、「安全配慮義務」は
この○次予防という表現にすると、どこの領域になるでしょうか。

正解は本文に記載いたしました。

※ラインケア研修体験会(東京・大阪・名古屋)のご案内
もあります。

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本号のトピックス ====================================
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1.ストレスチェックテストと管理職の研修
なぜストレスチェックと管理職研修が大切なのか
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2.6月開催体験会のご案内
「ラインケア研修」  
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3.my-Mentalの新機能
7月リリース予定
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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.ストレスチェックテストと管理職の研修
なぜストレスチェックと管理職研修が大切なのか
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先程のクイズの答えはいかがでしょうか。
正解は、「(1次予防の一部)、2次予防、3次予防」
です。

特に2次予防の領域は会社と管理職そして本人にとっても非常に重要な領域です。
つまりいかに早期発見、早期対処ができるかがメンタルヘルスの状況を
改善する大きな鍵となります。

ストレスチェックの主目的は1次予防と先ほど書きましたが
以前よりお伝えしているように1次予防〜3次予防を網羅している
テスト(弊社のmy-Mentalなど)を実施することは可能ですし、
メンタルヘルスの状況改善の観点からすると非常に有効です。

いずれの場合においても、管理職は以下のような重要な役割を担うことになります。
1) なるべく多くの社員がストレスチェックを実施するように促す
2) なるべく多くの高ストレス者が面接指導を実施するように促す
3) 管理職自らが不利益対応を行わない

1) なるべく多くの社員がストレスチェックを実施するように促す
・多くの社員が受検すれば、それだけ、社員が自らの状態が把握でき、
セルフケアへとつなげる事が可能になります。
・特にストレスが高い社員には、面接指導へ繋げることが可能になります
・組織分析の精度が上がります

2) なるべく多くの高ストレス者が面接指導を実施するように促す
・高ストレス者と判断された社員が多く医師の面談を受けることにより
必要な就業上の措置を確実に実施できるようになります
・早期発見、早期対処が可能になります
※全体に対して促すもので、個人に対して促すことはできません

3) 管理職自らが不利益対応を行わない
・管理職が不利益対応を行うと、受検率や、面接指導の申込率に影響を与えることがあります
・就業上の措置がスムーズにいかなくなることがあります

これらを管理職が確実に行うためには、
・メンタルヘルス障害の誤解をなくす(そもそも何かを理解する)
・安全配慮義務について、正しく理解をする
・ストレスチェック制度について、正しく理解する
・安全配慮義務を確実に果たすための具体的な対応
等を知っておくことが必須となります。

管理職が正しい知識と対応方法を知らないと、
折角のストレスチェックの効果が出せず、
実施しただけということになってしまうこともあり得ます。

そこで、ストレスチェックの実施の前後に管理職の研修を
実施することが望まれるわけです。

しかしながら、ただ単に知識として理解するだけではなく、
現場で実際に使える「知識が身につく」研修を行いたいものです。

カウンセリングストリートでは、
管理職が現場で使える研修をご提供いたします。

次項にラインケア研修の体験会のご案内があります。

my-Mental、管理職研修について、詳しくお知りになりたい方は
是非御社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
このメールにご返信ください。

 

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2.6月体験会のご案内
「発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会」
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■東京・大阪・名古屋にて以下の無料セミナーを開催します。
参加ご希望の方は貴社担当アカウントマネージャーに直接ご連絡いただくか、または
magazine@counseling.st まで、
ご希望の都市名(東京/大阪/名古屋)、講座名、開催日と
貴社名、部署、お名前、電話番号をお書きの上
メールにてご連絡ください。
※定員になり次第締切となります。お早めにお申込ください。
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【東京】
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■ラインケア研修の体験会 <発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:6月26日(月)14:30〜16:45
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:<部下のうつを確実に見つけるために>
◆メンタルヘルス障害の基礎知識(どんな病気なのか、発症の原因、治療内容等)を理解する
◆部下のメンタルヘルスケアにおける管理職の義務と役割を理解する
◆早期発見・対処のポイントを理解する 
※少人数で実施します

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【大阪】
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■ラインケア研修の体験会 <発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:6月20日(火)13:00〜15:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:<部下のうつを確実に見つけるために>
◆メンタルヘルス障害の基礎知識(どんな病気なのか、発症の原因、治療内容等)を理解する
◆部下のメンタルヘルスケアにおける管理職の義務と役割を理解する
◆早期発見・対処のポイントを理解する 
※少人数で実施します

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【名古屋】
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■ラインケア研修の体験会 <発症者を減らすためのラインケア研修(基礎編)体験会>
【参加条件:外部委託による研修を具体的に検討中のお客様に限定させていただきます】
日時:6月28日(水)13:30〜15:30
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:<部下のうつを確実に見つけるために>
◆メンタルヘルス障害の基礎知識(どんな病気なのか、発症の原因、治療内容等)を理解する
◆部下のメンタルヘルスケアにおける管理職の義務と役割を理解する
◆早期発見・対処のポイントを理解する 
※少人数で実施します

 

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3.my-Mentalの新機能
7月以降実施の会社様からリリース予定
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7月からmy-Mentalに新しい機能が追加されます。

1) 英語での受検が可能になります
my-Mental英語版(マークシート)をリリースします。
日本語では受検できなかった方が少しでも受検いただけるように、また、
英語が母国語でない社員の方のご利用も考慮して作成いたしました。

2) 役員向け報告書のアウトブットが可能になります
詳細な組織分析では役員向けの資料としては細かすぎるという声を受け、
役員が知りたい情報に集約して提示することが可能になりました。
交差分析を取り入れ、要対応、要注意組織のみではなく、良いモデル組織も
分析して提示しています。

3) セルフケアメール
要改善の項目がある方に対し、その方の回答の内容を分析し
改善に適した情報をセルフケアメールとして配信します。

詳しいご説明につきましては、
貴社担当アカウントマネージャーに直接ご連絡いただくか、または
このメールにご返信ください。

 

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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睡眠中に PTSD ケア
−トラウマ記憶を音で消す−
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震災や戦争等を体験して心に深い傷を負うと、PTSD (1)を発症することがある。
PTSD になると、日常生活のあらゆる場面でトラウマ記憶が蘇ったり、
悪夢に悩まされたりし、生活が非常に困難になる。

近年 PTSD は、持続エクスポージャー療法(以下 PE)(2)など、
トラウマに焦点をあてた認知行動療法により治療可能であることが分かってきた。

PE は従来の治療に比べて短期間での治療が可能だが、
それでも3 カ月程度はかかることや、
すべての医療機関において治療が受けられるほどには普及していないこと、
辛い記憶を繰り返し思い出さなければならないため精神的な負担が大きいことなどから、
新しい治療法の開発が期待されてきた。

今回、研究グループは、
夢が睡眠中の記憶の処理に関わっているという先行研究からヒントをえて、
睡眠中にトラウマ記憶を弱めることのできる方法を検討した。

箱に入れたマウスに特定の音を聞かせ、直後に軽い電気ショックを与える。
このショック以降、マウスはこの音を聞かせるだけでおびえた反応(恐怖反応)を示すようになる。

本研究では、音を聞かせて電気ショックを与えた後 4 時間以内に、
睡眠中のマウスに同じ音を、起こしてしまわない大きさで聞かせた。
すると、24 時間後の反応に変化が現れ、睡眠中に音を聞かせたマウスでは、
音を聞かせなかったマウスよりもおびえた反応が弱まっていた。
また、睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠というふたつのステージがあり、
どちらが上記の変化をもたらしたのかを調べた結果、
ノンレム睡眠中に音を聞かせた場合にだけ、おびえた反応が弱まることが明らかになった。

本研究は、心理的な不快感を伴わずに、睡眠中にトラウマ記憶を減弱できたという点で、
きわめて画期的であると考えられる。
この研究より、PTSD 患者に苦痛を与えることなく睡眠中に治療できる可能性が示された。

今後研究グループは、今回明らかになった条件においてどのような脳内メカニズムが
トラウマ記憶の減弱を引き起こしたかを検討していくと述べており、
PTSDの病態解明と新たな治療法の開発につながることが期待される。

(1) 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
戦争、虐待、地震などの強い精神的衝撃を受けることにより、
心的外傷を生じ、不安・不眠、フラッシュバック、トラウマを想起させる
物事に対する回避行動などを生じる病気。

(2) 持続エクスポージャー療法(PE)
米国を中心に確立された、PTSD 患者に対する治療法のひとつ。
十分に安全が確保された治療室で、トラウマ記憶を医師とともに時間をかけて丁寧に、
かつ詳細に振り返る作業を行なう。
この過程の中で、患者はトラウマ記憶と向き合い、そしてそれを思い出したときの恐怖に馴れ、
現在は安全であることを確認することで、その記憶を過去のものとして克服し、
新たな人生に向き合うことができるようになる。

睡眠中にPTSDケア −トラウマ記憶を音で消す−

 

SSRIの抗うつ作用とは異なる新たなうつ病治療メカニズムを発見
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大阪大学大学院医学系研究科の近藤誠准教授、
島田昌一教授(神経細胞生物学)らの研究グループは、セロトニン3型受容体(1)が、
脳の海馬のIGF-1(インスリン様成長因子-1)(2)の分泌を促進することにより、
海馬の新生ニューロン(3)を増やし、抗うつ効果をもたらすという、
うつ病の新たな治療メカニズムを発見した。

現在、うつ病治療には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が
第一選択薬として最も広く使用されているが、
その寛解率は半数にも満たないとされており、
SSRIが効かない難治性うつ病患者を治療するための新たな方法や
治療薬が必要とされていた。

動物の脳の海馬には、神経幹細胞が存在し、
新しい神経細胞(ニューロン)がたえず生まれており、
この現象は、海馬の神経新生と呼ばれている。
そして、うつ病の治療メカニズムには、
海馬の新生ニューロンが必要であることが知られている。

島田教授らの研究グループは、これまでに、運動がもたらす、
うつ病の予防改善効果や海馬の新生ニューロン増加には、
セロトニン3型受容体が必須の働きをしていることを明らかにしている。

しかし、海馬の神経新生やうつ病の治療メカニズムにおける、
セロトニン3型受容体の詳細な働きについては、明らかではなかった。
今回、同研究グループは、さらにセロトニン3型受容体の働きに着目し、
セロトニン3型受容体と、海馬の神経新生やうつ行動との関連について詳しく解析し、
うつ病の治療メカニズムの解明を試みた。

研究グループはマウスの脳を解析し、海馬において、
セロトニン3型受容体を発現する神経細胞がIGF-1を産生していることを新たに発見した。

さらに、セロトニン3型受容体アゴニスト(セロトニン3型受容体を刺激する薬物)を
マウスに投与すると、海馬のIGF-1分泌が増加することを明らかにし、
セロトニン3型受容体が海馬のIGF-1分泌を制御していることを新たに見出した。

さらに、セロトニン3型受容体アゴニストが、
海馬の新生ニューロンやうつ行動に与える影響を解析した。

その結果、セロトニン3型受容体アゴニストは、海馬のIGF-1分泌を促進することによって、
神経幹細胞の分裂を促進して新生ニューロンを増やし、抗うつ効果をもたらすことを明らかにした。
このメカニズムは、SSRIを投与した時には見られない現象であり、
SSRIによる抗うつ作用とは異なる、新しいうつ病治療のメカニズムとなる。

本研究成果により、SSRIが効かない難治性うつ病に対して、
セロトニン3型受容体を標的とした新たな治療薬の開発につながることが期待される。
さらに、セロトニン3型受容体アゴニストは、SSRIとは異なるメカニズムで
海馬の新生ニューロンを増加させ、抗うつ効果をもたらすことから、
SSRIと併用することでも相乗的なうつ病治療効果をもたらし、
うつ病の寛解率を上げる可能性が期待されている。

(1) セロトニン3型受容体
セロトニンは、動物の情動に関わる脳内の神経伝達物質の1つで、
うつ病などの精神疾患の病態に関わっていると考えられている。

(2) IGF-1(Insulin-like growth factor-1;インスリン様成長因子-1)
脳や肝臓などで産生される成長因子で、神経、筋肉、骨など多くの細胞に作用し、
細胞の分裂・増殖、成長や発達に関わっている。
IGF-1は、脳の海馬においても産生されており、神経幹細胞に作用し、
神経新生を促進することが知られている。
さらにIGF-1には、抗うつ効果があることが報告されており、
近年注目されている成長因子の1つである。

(3) 海馬の新生ニューロン
脳の海馬には、神経幹細胞が存在しており、分裂することにより、
新しい神経細胞(ニューロン)が生み出されている。この現象は神経新生と呼ばれており、
海馬の新生ニューロンは、うつ病や認知症などの精神神経疾患の病態や
治療メカニズムと密接な関係があることが知られている。

うつ病治療の新たなメカニズムを発見!