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241号 ストレスチェックテストの守備範囲

2016年12月1日

今年最後の月、師走となりました。
今年一年は皆様にとって良い一年だったでしょうか。

早いですが、来年もまた、皆様のお役に立てるよう、
努力していきますのでよろしくお願いします。
皆様良いお年をお迎えください。

さて、今年最後のメールマガジンですが、
皆様1年前の今日を覚えていらっしゃいますか?

そうです、ストレスチェックの実施義務が施行された日です。
早くも1年が経ちました。
昨日までに、ストレスチェックを実施することが義務となっていましたので、
皆様の会社でもこの一年間で少なくとも一回は実施されていると思います。

そこで、今月号から、シリーズで、
ストレスチェックを振り返り、次回のチェックに向けて、
より効果のあるチェックとなるように
一緒に考えていきたいと思います。

第1回目は、「ストレスチェックテストの守備範囲」です。

では、ここでクイズです。
ストレスチェックについて、下記で間違っているものはどれでしょうか。
a) ストレスチェックは「57問テスト」を使用しなければならない
b) ストレスチェックは1次予防のみを目的としたテストを使用しなければならない
c) 企業に課せられている安全配慮義務は
今回のストレスチェックの目的=未然予防(1次予防)の部分である

本文に正解を記載しました。

今月はストレスチェックの守備範囲に焦点をあててみましょう。

※ストレスチェックテスト関連セミナー(東京・大阪・名古屋)のご案内もあります。

 

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本号のトピックス ====================================
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1.ストレスチェックテストの守備範囲
ストレスチェックで安全配慮義務が果たせるか
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2.テストの有効利用
<CSのmy-Mentalの例>
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3.12月セミナーのご案内
「ストレステスト実施後の情報交換会」  
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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.ストレスチェックテストの守備範囲
ストレスチェックで安全配慮義務が果たせるか
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先ほどのクイズの答えは分かりましたでしょうか。

正解は
全部正しくありません。

a) テストはいわゆる「57問」テストが全てではありません
次の3領域が入っているテストであれば、制度に対応したテストです。
1) 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
2) 心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
3) 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
但し、「科学的根拠に基づいた」ものである必要があります。

b) 今回のストレスチェックの「義務」は一次予防の部分の強化となります。
但し、企業が独自で、それを上回るテストを実施する場合は、
それを妨げるものではありません。
その場合も、指針に書かれているように
「メンタルヘス不調者の発見を一義的な目的とはしない」
「不利益な扱いをしない」ということは
言うまでもありません。

c) 安全配慮義務の具体的な内容は、「予見可能性」と「結果回避可能性」です。
上記があるのに、何もしないで、社員が損害を受けると義務違反となります。
予見とは、病気になったり、自殺をしたり、事故にあったりということなのですが、
たとえ、使用者が予見していなくても、予見できると認定できる場合を含んでいます。
メンタルの領域では、早期発見・早期対処の2次予防の領域にあたるところとなります。

さて、今回のストレスチェックについて、
指針の冒頭「ストレスチェック制度の基本的な考え方」には、
次のように書かれています。

-------------------------------------------------------------------------
事業者は、メンタルヘルス指針に基づき各事業場の実態に即して実施される
二次予防及び三次予防も含めた労働者のメンタルヘルスケアの総合的な取組の中に
本制度を位置付け----
-------------------------------------------------------------------------

企業としては2次予防も3次予防も当然行うことが求められており、
安全配慮義務違反については、賠償も関わって来ますので、
2次予防、3次予防の領域は非常に重要です。

ここ1年間、ストレスチェックの話題が多く議論されている反面
安全配慮義務の領域の影が薄くなっていませんでしょうか。

これらを考えあわせてみますと、
今回1次予防のみが対象のテストを実施された企業様は
折角の機会なのに、重要な領域を放棄されていないでしょうか。

もし、1〜3次予防に対応したテストがあれば------
とお考えの方、カウンセリングストリートには、そのテストがあります。

 

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2.テストの有効利用
<CSのmy-Mentalの例>
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未然予防を目的とした、1次予防のテストの実施で、
義務を十分果たしたことになります。
でも、折角、費用と社員の時間を使って行うストレスチェックです。
より効果のあるものにしたいものです。

おかげさまで、この一年間、多くの会社様に
弊社のmy-Mentalを導入いただきました。
でも1次予防のテストで実施された会社様の事がとても気にかかります。

もし、1〜3次予防をカバーするテストがあることをご理解されずに、
実施されたのであれば、弊社からの情報発信が少なかったのではないかと考える次第です。

カウンセリングストリートのmy-Mentalは
1) 1〜3次予防をカバーするテストです
2) もちろん、「発症者の排除や従業員の不利益 になるような精神疾患の把握」を
目的としていません
3) 科学的な根拠に基づいています
4) 更に、個人結果の内容、組織分析など、全てストレスチェックの実施義務の内容に即しています
※国が実施義務の中で示されているものを大きく上回っていると自負しています

このようにmy-Mentalは今回のストレスチェック制度に完全対応しつつ、
1次〜3次予防までカバーしている、画期的なテストです。

これらを効果的にするため、
WEB受検の場合、1年間は追加料金なしで、何回でもチェックを実施できます
マークシート受検の方々もご自身のパソコンやスマートフォンがあれば
1年間、いつでもチェックを実施できます。
さらに過去の結果も参照できるので、セルフケアはもちろん、
場合によっては、ラインケアのツールとしても有効利用できます。

次のテストまで、少し時間的な余裕があります。
ご連絡をいただければ、my-Mentalの詳しい説明を
させていただきます。
貴社担当アカウントマネージャーにご連絡いただくか、または
magazine@counseling.stまで、ご連絡ください。

さて、次のユニットで、1年間を振り返って、
ストレスチェック実施後の情報交換会のご案内を掲載しました。
是非ご参加ください。

 

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3.12月セミナーのご案内
「ストレステスト実施後の情報交換会」
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■東京・大阪・名古屋にて以下の無料セミナーを開催します。
参加ご希望の方は貴社担当アカウントマネージャーに直接ご連絡いただくか、または
magazine@counseling.st まで、
ご希望の都市名(東京/大阪/名古屋)、講座名、開催日と
貴社名、部署、お名前、電話番号をお書きの上
メールにてご連絡ください。
※定員になり次第締切となります。お早めにお申込ください。
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【東京】
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■ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
日時:12月7日(水)9:30〜11:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
◆受検率を上げるためにはどんな事をしたら効果的なの?
◆面接指導の受付〜実施の手間とスピード感に課題が残った・・・
◆そもそも面接指導を申し出る社員が少なかったが放置状態にはしたくない・・・
◆産業医のいない事業所、他社では面接指導はどうしている?
◆組織分析は出たものの何をしたら良いのか分からない・・・
など、義務化初年度のストレスチェックテスト実施を振り返り、
参加企業様のあいだで課題点を共有、情報交換していただく場にいたします。
【参加条件:各企業のストレスチェックテストご担当者様に限定させていただきます】

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【大阪】
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■ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
日時:12月13日(火)13:00〜15:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
◆受検率を上げるためにはどんな事をしたら効果的なの?
◆面接指導の受付〜実施の手間とスピード感に課題が残った・・・
◆そもそも面接指導を申し出る社員が少なかったが放置状態にはしたくない・・・
◆産業医のいない事業所、他社では面接指導はどうしている?
◆組織分析は出たものの何をしたら良いのか分からない・・・
など、義務化初年度のストレスチェックテスト実施を振り返り、
参加企業様のあいだで課題点を共有、情報交換していただく場にいたします。
【参加条件:各企業のストレスチェックテストご担当者様に限定させていただきます】

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【名古屋】
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■ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
日時:12月15日(木)13:30〜15:00
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
◆受検率を上げるためにはどんな事をしたら効果的なの?
◆面接指導の受付〜実施の手間とスピード感に課題が残った・・・
◆そもそも面接指導を申し出る社員が少なかったが放置状態にはしたくない・・・
◆産業医のいない事業所、他社では面接指導はどうしている?
◆組織分析は出たものの何をしたら良いのか分からない・・・
など、義務化初年度のストレスチェックテスト実施を振り返り、
参加企業様のあいだで課題点を共有、情報交換していただく場にいたします。
【参加条件:各企業のストレスチェックテストご担当者様に限定させていただきます】

 

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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睡眠・覚醒制御の分子ネットワーク解明への道を拓く 新規遺伝子の発見
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私たちが人生のおよそ三分の一を費やす睡眠は、
誰もが毎日行なう身近な行動でありながら、
未だにメカニズムや役割をきちんと説明できていない現象である。

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の
船戸弘正教授と柳沢正史機構長/教授らの研究グループは、
この謎に真正面から挑み、睡眠覚醒制御において重要な役割を果たす
2つの遺伝子を見出したことを発表した。

今回の研究では明らかな睡眠異常を示すマウス家系を樹立して
その原因遺伝子変異を同定し、原因遺伝子変異がどのようなしくみで
睡眠・覚醒を変化させるかを調べた。

研究手法としては、具体的な作業仮説を置かず、
ランダムな突然変異を入れた多数のマウスをスクリーニングする方法を採用した。

結果、覚醒時間が大幅に減少する「 Sleepy変異家系」と、
レム睡眠が著しく減少する「Dreamless 変異家系」を樹立することに成功し、
Sleepy 変異マウスでは Sik3 遺伝子変異、
Dreamless 変異マウスでは Nalcn 遺伝子変異がそれぞれの睡眠、
覚醒状況に関係していることを見出した。

またSik3 遺伝子はショウジョウバエや線虫など他生物においても
睡眠様行動を制御していることを明らかしている。

これらは、睡眠・覚醒制御において中心的な役割を果たす遺伝子を
世界で初めて見出した成果である。

本研究により、Sik3 と Nalcn という2つの遺伝子が
睡眠・覚醒制御に関わる新たなキープレイヤーであることが世界で初めて示された。

これらの遺伝子と睡眠との関連性はこれまで全く知られておらず、
睡眠学の概念を大きく変えるだけのインパクトを与えることは
間違いないと述べている。

今後は、SIK3 や NALCN タンパク質を手がかりとして、
睡眠と覚醒の切り替えや、ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替えに関わる
細胞内シグナル伝達系、さらには「眠気」の分子メカニズムの全貌が
明らかになることが期待される。
それにより睡眠・覚醒ネットワークの全容解明が進めば、
将来的には睡眠障害や関連疾患等の解決にも貢献できると考えられる。

睡眠・覚醒制御の分子ネットワーク解明への道を拓く

 

過剰な恐怖を抑制するための脳内ブレーキメカニズムを解明
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−光による神経抑制操作によって恐怖記憶が増加−

理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター記憶神経回路研究チームの
小澤貴明客員研究員、ジョシュア・ジョハンセン チームリーダーらの
国際共同研究チームは、ラットを用いて、恐怖の到来があらかじめ予測されると、
特定の脳活動が後に起こる恐怖体験の際に感じる恐怖の強さを抑制し、
過剰な恐怖記憶の形成を防いでいることを発見した。

不安感や恐怖をもたらす出来事は私たちにとってストレスとなるが、
嫌な体験に関する記憶によって、事前に危険を予知したり身を守るなど、
私たちの生活に必要な能力である。しかし、必要以上に強い恐怖記憶の形成は、
ストレスと関連した不安障害などの精神疾患の一因となる場合がある。

不安障害になると、ストレスに過敏になったり、
新たに“過剰な”恐怖記憶を形成することもある。

恐怖記憶が有効に働くためには、実際の体験に見合った
適切な強さの恐怖記憶の形成が必要である。
そのためには、恐怖を感じるための脳の働きに加えて、
過剰な恐怖を抑制するための働きも必要であると考えられてきたが、
そのメカニズムはほとんど明らかになっていなかった。

ラットに音を提示した後に、
恐怖体験として弱い電気ショックを与える訓練を行うと
ラットは音によって電気ショックの到来を予測することを学習し、
音に対し恐怖反応を示すようになる。
この「恐怖条件づけ」では、
恐怖反応の強さは訓練を繰り返すたびに増加するが、
十分に行うとそれ以上訓練しても増加しないことが知られている。

これは「恐怖学習の漸近(ぜんきん)現象」として、
多くの生物種で認められる普遍的な現象である。

今回、国際共同研究チームはこの現象をもとに、
恐怖体験の事前予測による過剰な恐怖学習の抑制について調べた結果、
ラットが一度恐怖を体験し、恐怖の到来を事前に予測できるようになると、
「扁桃体中心核[1]→中脳水道周囲灰白質[2]→吻側(ふんそく)延髄腹内側部[3]」回路
という一連の脳領域が活性化し、さらなる恐怖記憶の形成を防ぐ働きをすることを発見した。

また、光遺伝学[4]を使ってこの回路の働きを不活性化すると、
恐怖記憶形成の中枢である扁桃体外側核[5]が活性化し、
過剰な恐怖学習が引き起こされることが分かった。

本成果の過剰な恐怖に対する“脳内ブレーキメカニズム”は、
私たちの日常におけるストレスコントロール、
さらには不安障害などの精神疾患のメカニズムの理解につながることが期待される。

[1] 扁桃体中心核:側頭葉の奥に存在する、アーモンド形の神経細胞の集まりである
扁桃体の一部。扁桃体の主要な出力部位としての役割を担う。

[2] 中脳水道周囲灰白質:中脳被蓋領域内にある中脳水道を囲む領域の灰白質。
すくみ行動や逃避などの恐怖反応や不安、さらに痛みの制御などさまざまな情動への
関与が報告されている。

[3] 吻側延髄腹内側部:延髄の一部で、脊髄への投射を介して痛みの抑制に
関与していると考えられている。

[4] 光遺伝学:光感受性タンパク質を遺伝学により特定の神経細胞群に発現させ、
その神経細胞群に局所的に光を当てて、活性化したり抑制したりする技術。

[5] 扁桃体外側核:扁桃体の中の亜核の一つで、脳のさまざまな感覚領域からの入力を受け、
恐怖記憶の形成に重要な役割を果たす部位と考えられている。

過剰な恐怖を抑制するための脳内ブレーキメカニズムを解明