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240号 ストレスチェック組織分析の活用

2016年11月10日

いよいよ11月になり、今週月曜日は立冬でした。
お近くの山々も雪化粧をする季節になってきました。
秋が短かったのか、「暑い」からすぐ「寒い」になってしまった気がします。
皆様お変わりありませんでしょうか。

さて、前回のメールマガジンで
ストレスチェックの面接指導について考えてみましたが、
今月はもう一度、ストレスチェック後の組織分析に焦点を当て、
その活用について考えてみたいと思います。

では、ここでクイズです。
ストレスチェック後の組織分析はどのように使用することが推奨されているでしょうか。
a) 組織に属している社員の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講じる
b) 組織に属している高ストレスな社員に対して適切な措置を講じる
c) 組織に属している社員のモチベーションを向上させるための適切な措置を講じる

本文に正解を記載しました。

今月はストレスチェックの組織分析の活用に焦点をあててみましょう。

※ストレスチェックテスト関連セミナー(東京・大阪・名古屋)のご案内もあります。

 

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本号のトピックス ====================================
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1.ストレスチェック組織分析の活用
組織分析ってどうやって使うの???
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2.組織分析の有効活用
<CSのmy-Mental組織分析の例>
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3.12月無料セミナーのご案内
「ストレスチェック実施後の情報交換会〜来年に向けての課題は??」  
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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.ストレスチェック組織分析の活用
組織分析ってどうやって使うの???
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先ほどのクイズの答えは分かりましたでしょうか。

正解は
a) 組織に属している社員の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講じる  です。

改正労働安全法に基づいて出された「指針」には次のように記されています。

「事業者は、(中略)実施者に、
ストレスチェック結果を一定規模の集団ごとに集計・分析させ、
(中略)当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための
適切な措置を講じるよう努めければならない。」

さて、皆様の会社では、そろそろチェックそのものは終了となり、
出てきた組織分析を一体どのように活用すればよいのかと
困っていらっしゃいませんでしょうか。

目的は上記のように「当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するため」ですが、
どうすれば、心理的な負担を軽減することが可能になるのでしょうか。

一言でいえば、
「心理的な負担」となっている要因を明らかにして、それを改善していく
ことになります。

何が心理的な負担なのかというのは、人によりまちまちで、
「現在の業務が自分に合わない」というような、個人単位のものから、
「職場の人間関係がギスギスしていて、トラブルも多い」というような
職場全体にかかわるものもあります。

今回措置を講じるのは、もちろん後者の方です。

それでは、皆さんの会社が実施されたテストで、
後者の方の要因がどれくらい把握できましたか?

いわゆる57問テストを実施された会社様は
「仕事の量的負担−仕事のコントロール」
「上司の支援−同僚の支援」
の二つのグラフを用いて、全国平均からの乖離を目で読んで、
要因を想定することになります。

判断する要因はこれだけで良いのかという点がありますが、
それは一旦置いておいて、

1.仕事の量的負担
こちらは比較的イメージしやすいかと思います。
職場全体の仕事量を削減するための施策を考えていくことになります

2.仕事のコントロール(裁量度)
以前メルマガでもとりあげましたが、これは微妙な指標です。
裁量度が高いというのは、一見ストレスが少ないように思いがちですが、
必ずしもそうではないのです。
a) 仕事の道筋が決められており、それに沿って業務を進める のと
b) 自分で考え、自分で判断して、業務を進めていく のでは、
a)の方が心理的な負担が少ないことも多いのです。
もちろん、細かいルールがあまりにも多くて・・・
というような場合は、心理的負担は大きくなります。
もし裁量度を要因として考えるのであれば、
実態を良く調査して考える必要があります。

3.上司の支援
これは上司マネジメントの領域になり、とても重要なポイントになります。
但し、「上司の支援」は「上司マネジメント」中の一つの項目に過ぎませんので、
もし、実態調査ができるようであれば、もう少し領域を広げて把握すると
具体的な対処を考えやすいのではないでしょうか。

4.同僚の支援
同僚からの支援も大切ではありますが、
どちらかというと、副次的なものになります。
職場全体の人間関係や人的関わり合いに影響されるものですので
これを会社側から改善していくのは、なかなか難しそうです。

このように、比較的対処しやすい部分と、なかなか対処が難しい部分がありますが
57問テストでは、基本はこの指標しか提供されませんので、この中で考える必要があります。

では弊社のmy-Mentalでは、どのような活用ができるのか
次のセクションでみてみましょう。

my-Mentalの詳しい内容をお知りになりたい方は、是非、
貴社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
または、このメールに返信をお願いします。

 

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2.組織分析の有効活用
<CSのmy-Mental組織分析の例>
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my-Mentalの組織分析では、
組織健全度という指標の中で次の6項目を組織ごとに分析をしています

上司マネジメント
役割責任
人事評価
職場関係性
量的負荷認識
自己能力認識

これらは、メンタル不調を起こす組織の要因として、
科学的な根拠から選びだされた6項目です。

さらに、問題のあった項目
例えば「上司マネジメント」のうち、どこが問題となっているのかが
組織分析の中で言及されていますので、
ピンポイントで状況確認をして、対処することが可能になっています。

※これ以外にも、ストレス耐性(8指標)、
ソーシャルサポート(周りから支援を受けているとどれ位認識しているか)
の分析も提供されます

このようにmy-Mentalの組織分析では、
「心理的な負担」となっている要因が
分析されて提供されますので、対処を考える場合に非常に有効です。

my-Mentalについて詳しくお知りになりたい方は
是非、貴社担当のアカウントマネージャーにご連絡いただくか、
または、このメールに返信をお願いします。

 

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3.12月の無料公開セミナーのご案内
「ストレスチェック実施後の情報交換会〜来年に向けての課題は??」
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■東京・大阪・名古屋にて以下の無料セミナーを開催します。
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【東京】
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■ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
日時:12月7日(水)9:30〜11:30
場所:東京体育館 サブアリーナ内会議室 千駄ヶ谷駅徒歩3分
参加費用:無料
内容:ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
◆面接指導を申し出る社員が少なかったが放置状態にはしたくない・・・
◆産業医のいない事業所、他社では面接指導はどうしている?
◆受検率を上げるためにはどうしたら良いだろう?
◆組織分析は出たものの何をしたら良いのか分からない・・・
など、義務化初年度のストレスチェックテスト実施を振り返り、
参加企業様のあいだで課題点を共有、情報交換していただく場にいたします。
【参加条件:各企業のストレスチェックテストご担当者様に限定させていただきます】

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【大阪】
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■ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
日時:12月13日(火)13:00〜15:00
場所:大阪市立青少年センター(KOKO PLAZA) 新大阪駅徒歩5分、地下鉄新大阪駅徒歩10分
参加費用:無料
内容:ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
◆面接指導を申し出る社員が少なかったが放置状態にはしたくない・・・
◆産業医のいない事業所、他社では面接指導はどうしている?
◆受検率を上げるためにはどうしたら良いだろう?
◆組織分析は出たものの何をしたら良いのか分からない・・・
など、義務化初年度のストレスチェックテスト実施を振り返り、
参加企業様のあいだで課題点を共有、情報交換していただく場にいたします。
【参加条件:各企業のストレスチェックテストご担当者様に限定させていただきます】

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【名古屋】
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■ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
日時:12月15日(木)13:30〜15:00
場所:名古屋市芸術創造センター 東山線新栄町駅徒歩3分、桜通線高岳駅徒歩5分
参加費用:無料
内容:ストレスチェックテスト実施後の情報交換会 〜来年に向けての課題は??〜
◆面接指導を申し出る社員が少なかったが放置状態にはしたくない・・・
◆産業医のいない事業所、他社では面接指導はどうしている?
◆受検率を上げるためにはどうしたら良いだろう?
◆組織分析は出たものの何をしたら良いのか分からない・・・
など、義務化初年度のストレスチェックテスト実施を振り返り、
参加企業様のあいだで課題点を共有、情報交換していただく場にいたします。
【参加条件:各企業のストレスチェックテストご担当者様に限定させていただきます】

 

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4.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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『潜在的睡眠不足』の解消が内分泌機能の改善につながることを明らかに
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国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市 理事長:水澤英 洋)
精神保健研究所(所長:中込和幸) 精神生理研究部の北村真吾室長、三島和夫部長らのグループは、
現代人の多くが自覚できない睡眠不足(潜在的睡眠負債)を抱えている危険性を明らかにした。

睡眠不足は眠気やパフォーマンスの低下をはじめ、
記憶・学習、代謝、免疫などさまざまな精神・身体機能を阻害することが明らかになっている。

糖尿病やうつ病など種々の健康リスクと睡眠時間との関係を調べた疫学研究の結果では、
日本人の睡眠時間は 4 時間以下から10時間以上まで幅広く、
7-8 時間を底とした U 字型の関係(長くても短くてもリスクが高まる)が報告されている。
だが、測定技術上の困難さからこれまで心身機能を適切に維持するために
必要な睡眠時間やその個人差についての知見はごく限られていた。

本研究では健康な成人男性を対象に、
就床時間を12時間に延長して睡眠を充足(飽和)させる試験に参加してもらった。
試験期間中の睡眠時間の変動曲線から各被験者の必要睡眠時間を個別に算出したところ、
自宅での「習慣的睡眠時間」は算出された「必要睡眠時間」より
1日当たり平均1時間短いことが明らかになった。

また、「休日の寝だめ」の長さが潜在的睡眠不足度を推測する一つの目安になり、
休日に長時間の寝だめを行わないで済む睡眠時間の確保が、
潜在的睡眠不足を予防する目標となることが分かった。

さらに、睡眠延長で睡眠が充足された後は眠気の解消だけではなく、
生活習慣病やストレスに関わる内分泌機能にも改善がみられた。
具体的には、ストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモンや
コルチゾール濃度が低下したことが明らかになった。

睡眠不足の有無は眠気をバロメータにして判断しがちであるが、
本研究から自覚症状のない睡眠不足でも
心身に無視し得ない負担を生じている危険性が明らかになった。

試算された1日当たり1時間の睡眠不足は
被験者の心身機能に負担となっているにもかかわらず、
眠気などの症状が乏しいために本人はその存在を自覚できない
「潜在的睡眠不足(potential sleep debt)」と命名した。
自覚できないがゆえに何ら対処もせず、若年時から潜在的睡眠不足を
長期間にわたり抱え込んでしまう可能性が高く、
その影響は決して無視できないのではないかと危惧される。
そのため、潜在的睡眠不足は臨床上および公衆衛生学上
留意すべき危険な睡眠習慣として注意を喚起したいとしている。

『潜在的睡眠不足』の解消が内分泌機能の改善につながることを明らかに

 

嬉しい体験と嫌な体験は互いに抑制し合う
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−嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞は別領域に存在し、互いに抑制する−

理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター
理研-MIT神経回路遺伝学研究センターのジョシュア・キム研究員、
利根川進センター長らの研究チームは、
マウスにおいて、嬉しい体験と嫌な体験にそれぞれ対応した神経細胞は
扁桃体基底外側核[1]の異なる領域に局在し、互いに抑制することを発見したと発表した。

「嬉しい」「嫌だ」といった情動体験は、その体験に特有な行動を引き起こす。
マウスでは、嬉しい体験は繰り返そうとし、
嫌な体験にはすくみ行動(じっとその場に動かなくなる行動)をとったり、
その体験を避けたりする。

これまでの研究により、どちらのタイプの行動も脳内の扁桃体にある
基底外側核の働きによって引き起こされることが知られていた。
しかし、嬉しい体験で働く神経細胞(嬉しい体験細胞)と
嫌な体験で働く神経細胞(嫌な神経細胞)が基底外側核内で混在している説と
異なる領域に局在している説があり、その詳細は不明であった。

今回、理研の研究チームは、嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞の特徴を調査した結果、
嬉しい体験細胞は扁桃体基底外側核の“後方”に局在し、
嫌な体験細胞は扁桃体基底外側核の“前方”に局在している
ことが分かったと発表している。

また、マウスの脚に軽い電気ショックを与えながら、
嫌な体験細胞の働きを光遺伝学(2)で人工的に抑えるとすくみ反応が減少し、
マウスが鼻先を壁の穴に入れると報酬の水をもらえる装置で、
マウスが水をもらっている最中に嬉しい体験細胞の働きを人工的に抑えると、
鼻先を穴に入れる回数が減少した。
このことから、嬉しい体験細胞および嫌な体験細胞の活動が、
それぞれの体験に特有な行動を“実際に”引き起こすことが明らかになった。

さらに研究チームは、嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞は、
互いに抑制し合うことも明らかにしている。

この成果は、今後うつ病に代表されるような情動障害において、
嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞を別々に操作することができれば、
新しい治療法の開発への道を拓くこととなる。
また、それぞれの細胞群の特徴に照準を絞って治療薬の探索を行うことで、
より的確な情動障害治療の創薬につながることが期待できる発見である。

〔1〕大脳辺縁系の一部である扁桃体内の亜核で、外側核からの入力を受け、
情動行動を制御している中心核へ出力する。
〔2〕光遺伝学とは、光感受性タンパク質を発現させた神経細胞群に局所的に光を当て、
その働きを活性化させたり抑制させたりする技術のこと。

嬉しい体験と嫌な体験は互いに抑制し合う