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214号 若年層はメンタルが弱いのか(その1)

2014年5月8日

ゴールデンウィーク、皆様はどのように過ごされましたでしょうか。
通常通りお仕事という方もいらっしゃったかと思います。
立夏も過ぎ、これから緑も濃くなる季節ですが、
一方で五月病といわれるような、環境不適合も出やすい季節です。

さて今回のテーマは
「若年層はメンタルが弱いのか(その1)」
です。

厚生労働省が3年毎に調査している患者調査の
気分障害(うつ病が含まれる障害です)の年代別統計を見ると、
平成14年までは中高年層がピークを示していますが、
平成17年以降若年層に新たなピークができています。

また巷では「最近の若者は打たれ弱い」との評価も良く聞かれるところです。

本当に現代の若者はメンタル的に弱いのでしょうか。

今回はそんな若年層のメンタル状況に焦点をあててみましょう

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本号のトピックス ====================================
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1.若年層はメンタルが弱いのか(その1)
若年層の実態
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2.社員のストレス状況の正確な把握と改善
 <CSのmy-Mentalの例>
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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1.若年層はメンタルが弱いのか(その1)
若年層の実態
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うつ病の疫学調査では、
うつ病の初発年齢は20代が多く、次いで、30代、40代とあり、
一方で患者数が多い年齢層は30代、40代に集中している
との結果が見られます。

弊社のmy-Mental(ストレスチェックテスト)では13,000名の受診データに基づいて
年代とメンタル不調の関連を検証してみたところ、
まず単純に年齢が若ければ若いほどメンタル不調に陥りやすいとの
統計上の相関関係は「ほぼ無い」ということが分かりました。

ですがまったく無関係というわけではありません。
各年代毎に区分してメンタル不調平均点を比較してみると
年代によって平均点に差があることが認められました。

20代前半、次いで30代前後、40代前後で
メンタル不調の症状が比較的多い傾向が見られ、
40代後半以降と統計上でも差があることが認められました。
また、50代後半以降は他年代に比べ最もメンタル不調の症状が少ないことも
確認され、年代とメンタル不調の間には一定の関連があることが示されました。

この結果は、先述のうつ病の初発年齢にもあてはまり、
メンタル不調が比較的見られやすい時期であるということがわかります。

これだけをみると、
若年層は、やはり弱いのでは?
我が社の若手社員は大丈夫なのか?
と不安になるかもしれませんが、
実は、メンタルの強さ/弱さについてはもうひとつの指標、

発症を予防する力=「ストレス耐性」

も一緒に考える必要があります。

ストレス耐性とはストレスフルな環境でも発症しない特性で、
この特性が強いほど発症予防に繋げることが可能となります。
(ストレス耐性については、次号で詳しくご説明いたします)

またこの年代は新入社員など、経歴も浅く、新しい環境や業務に適応し、
対応を模索していく時期でもあることが考えられます。

環境や周りの変化により一時的にメンタルの不調をあらわすことは珍しくありませんし、
適切な対応とセルフケアで改善することも可能です。

それら若年層を含め、社員の発症度や、前述の「ストレス耐性」を
正確に把握し、改善する方法はあるのでしょうか?

では次に、発症度やストレス耐性を正確に把握し、
セルフケアや適切な対応で高ストレス状態の改善を可能にした、
弊社のmy-Mentalについて、見てみたいと思います。

 

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2.社員のストレス状況の正確な把握と改善
 <CSのmy-Mentalの例>
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人は、ストレスや不適応を感じることによって、
気分の落ち込み、眠れない、体調が優れないなど不調を感じることがありますが、
ストレスがあるからと言って、必ずしもメンタルヘルス障害を発症するとは限りません。

一口にストレスと言っても、その内容は千差万別です。
メンタルヘルス障害発症の予防をする為には、
「メンタル不調に繋がるストレス」に限定し、
それらを正確に把握し改善することが必要です。

そのためメンタルヘルス障害発症予防、早期発見には、
発症予防の観点からストレス状態を把握することが大切になります。

ストレスチェック&発症予防「my-Mental」は
メンタルヘルス障害を減らすため、

【1】メンタルヘルス障害発症予防
【2】発症を予防する力(ストレス耐性)の向上
【3】発症を予防する職場作り

を目的として作成されたストレスチェックテストです。

【1】メンタルヘルス障害発症予防
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発症予防の観点からストレス状態をチェックし、
メンタルヘルス障害に繋がるストレス状態の改善を目指しています。

1次予防:メンタル不調を未然に防止
2次予防:メンタル不調者の早期発見・早期治療
3次予防:復職リハビリの成功・再発防止

の3つの予防からセルフケアの提案とサポートを行い、
発症予防を可能にしています。

【2】発症を予防する力(ストレス耐性)の向上
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「ストレスフルな環境下でも適切に対応でき、自身の健康を維持できる力」=ストレス耐性
を養い、向上することを目的としています。

発症予防の視点からストレスフルな環境でも発症しない特性を把握し、
特性を伸ばすプログラムが組まれているため、
どんな状況でも健康を維持する力を養うことが可能となります。

【3】発症を予防する職場作り
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発症に繋がる職場要因を把握し、職場改善を提案しています。

発症を予防する職場を作るには
「発症に繋がる組織要因」の把握と改善が必要です。

my-Mentalでは従業員の不平不満に繋がる内容や
モチベーション、満足度などのみに繋がる要因、
改善が現実的でないものなど
発症予防に繋がらない内容を極力排除しました。

発症予防に繋がる項目だけに限定した結果、
発症予防のための組織改善を行うことが可能となりました。

my-Mentalについてさらに詳しくお知りになりたい方は下記をご参照ください。

http://counseling.st/hr/mentalcheck.php

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3. メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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(1)よい睡眠が健康をもたらす−厚労省「健康づくりのための睡眠指針2014」を公表
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厚生労働省は、3月31日、「健康づくりのための睡眠指針2014」を公表した。
「睡眠指針」については、平成15年に一度策定されているが、
10年以上経過した中で、睡眠に関する科学的根拠が蓄積されていること、
また、平成25年度から「健康日本21(第二次)」を開始しており、
健康に及ぼす睡眠の重要性をより啓発していく必要があることから、
今回、新たな指針の策定となった。

今回の指針は、前回の7箇条から12箇条に増加している。
いずれも科学的根拠に基づいており、
若年層、勤労者、高齢者の3つのライフステージごとに、
よりよい睡眠のための注意点、アドバイスを記載した点が大きなポイント。
また、生活習慣病、こころの健康と睡眠との関連についても充実した記載となっている。

特にメンタルヘルスとの関連については、
うつ病の症状の一つとして睡眠の不調があることを明記。
睡眠による休養感がない場合はうつ病の可能性が高いほか、
不眠は抑うつを促進させる恐れがあることを、様々な研究結果を元に示している。

睡眠の質の向上には、生活リズムの改善、環境づくりが重要であるが、
もし、眠れないという悩みが強い場合は、
医師、保健師などに相談することも大切であるとしている。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html

(2)メンタルヘルスには産業医の活用が重要−日本医師会、プロジェクト答申を取りまとめ
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日本医師会は、4月9日、精神保健委員会が
「子どもと働き盛り世代へのメンタルヘルス対策のあり方−災害被災者へのアプローチも含めて−」
について、答申を取りまとめたことを発表した。

学校や職場でのストレス増加、また東日本大震災を契機とした
大規模災害時におけるこころの健康の維持など、
近年、メンタルヘルス対策について、強い関心が払われている。

今回の答申では、学校現場、職場、災害時の3つの場面において、
それぞれにおけるメンタルヘルスの問題点と、医師の関わり方について検討した。

その中で、職場については、
現状として長期休業者全体に占めるメンタルヘルス不調者の割合の増加、
復職判断の難しさが大きな問題であること、
また、アルコール依存症や、パーソナリティ障害、
発達障害のある労働者への対応も重要となっていることを指摘。
職場のメンタルヘルス向上には、産業医を中心とした体制構築が、
最も重要なポイントであるとした。

より、効果的な体制構築のためには、産業医には精神医学の知識が不可欠である。
答申では、産業医に必要な知識、スキルとして、ストレスマネジメント、
発症の基本的考え方、不調者の発見スキルなどのほか、
各症状の知識、パーソナリティ障害、発達障害の知識のほか、
法的知識や、専門医、主治医との連携スキルなど、
幅広い項目にわたって列挙している。

http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20140409_7.pdf