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213号 知らず知らずのハラスメントがメンタルに影響

2014年4月10日

4月を迎え、新しい顔ぶれがオフィスに新風を届けてくれる頃となりました。
24節季では清明[万物がすがすがしく明るく美しいころ]となります。
清々しい気持でお仕事をされていますでしょうか。

 

さて今回のテーマは
「知らず知らずのハラスメントがメンタルに影響」
です。

厚生労働省の統計によると、
精神障害の労災支給決定件数のうちに占める「嫌がらせ・いじめ・暴行・トラブル」の割合は
21年度:11.7%
22年度:18.5%
23年度:18.5%
24年度:20.2%
と、年を追う毎に増加しており、平成24年では約2割を占めています。

同じく厚生労働省の別の調査(平成24年)では、
勤務先でパラハラを見たり相談を受けたことがある人の割合は28%
それに対し、パワハラをしたり、指摘されたことがある人は7%
でした。

ハラスメントがメンタルヘルス障害にも影響を与えているものの、
行為者の認識には大きなズレがありそうです。

今回はそんなハラスメントに焦点をあててみましょう

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本号のトピックス ====================================
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1.発症者を減らす(その13)
知らず知らずのハラスメントがメンタルに影響
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2.職場でのハラスメントを防ぐ
 <CSの研修の例>
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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1. 発症者を減らす(その13)
知らず知らずのハラスメントがメンタルに影響
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昨年8月より「発症者を減らす」というテーマで考えてきましたが、
このテーマでのメールマガジンは今回で最後となります。

前号で
ハラスメントはメンタルヘルス障害の発症と関係があるのでしょうか?
という質問を投げかけてみましたが、考えていただけましたでしょうか。
このメルマガの導入に数値で例示したように、大きく関係があるようです。
皆さんも正解された方が多かったのではないでしょうか?

ハラスメントによる精神障害が増えているということは、
すなわち、職場でハラスメントが現に存在しており、なかなか減らないということを示しています。
(厚生労働省の調べによると労働局等への相談件数のうち「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増加し
24年度には相談内容のトップに躍り出ています)

昨今ハラスメントという言葉は色々なマスメディアでも取り上げられています。
これだけ日常的に話題にされているのに、なぜ減らないのでしょうか??

いろいろな理由が考えられますが、
その一つに、「ハラスメントをしている人が全く気づいていない」
ということがあります。
気づいていないので、どれだけ回りに情報が溢れていても、
「自分は大丈夫」と思って言動を改めることがありません。

つまり、自分のどのような言動がハラスメントを引き起こす危険性があるのか正しく認識せず、
今までの自分の経験のみから判断して行動したり、言ったりしているわけです。

一方で、ハラスメントを気にしすぎで、部下の教育指導がきちんとできていない
と言う声も実は良く聞かれます。

いずれの場合も正しいハラスメントの知識がないことが背景にあります。

ハラスメントの概念も大切ですが、それだけではなく、
具体的に自分の言動のどれがハラスメントの危険性があり、
どれは危険性がないのか、正しく理解する必要があります。

管理職は自分がハラスメントをしないということはもちろん、部下にもさせてはいけません。
その上で、必要な教育指導をもする必要があります。

知識と現場イメージが持てて、初めて管理職の言動が改善されていきます。

では次にカウンセリングストリートの研修ではこの辺りをどのように扱っているか
少しみてみたいと思います。

その前に、次号(5/8発行予定)までに考えていただきたいことです。
「最近の若年層はメンタル的に弱いのでしょうか?」
次回までに考えてみてください。

 

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2. 職場でのハラスメントを防ぐ
 <CSの研修の例>
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上記1.でお伝えしたとおり、職場のハラスメントを無くすことは
発症者を減らす観点から非常に重要な課題です。
そしてそのためには、ハラスメントの「正しい知識」を知ること、
そしてハラスメント防止のための「現場イメージ」を持つことが必要です。

カウンセリングストリートのハラスメント研修では、
何がハラスメントに該当するのか、といったハラスメントに関する基礎知識や、
具体的に職場でどういう言動に注意したら良いのか、といった事をお伝えしています。

まず座学編ではハラスメント防止の重要性や、法律や判決に基づく定義など
何がハラスメントにあたるのか、といった基礎知識をお伝えします。

しかしこれだけでは一般的なハラスメントの概念をお伝えするだけで、
実際に自分の職場において、自分の言動のどこがハラスメントに該当する危険があるのかなど、
受講者が具体的なイメージを持つことはできません。

そこで弊社のハラスメント研修では、何がハラスメントにあたるかだけでなく、
実際に自分が働く会社がハラスメントの無い働きやすい職場になるために、
具体的にどんな事に気をつけていけば良いのか、
自分のどのような言動が問題になるのか、を
その企業様専用のケーススタディーを用いた演習を通し考えていただきます。

そのために弊社では教材作成の際に、
企業様への取材と綿密な打ち合わせを実施しています。
各企業様が目指す「ハラスメントの無い職場」像を明確にしたうえで、
その企業様オリジナルのケーススタディーを作り込みます。

また各企業様のハラスメント防止に関する諸規定や
相談窓口情報などを教材に記載し、
職場でハラスメントがあった場合、どう対応すれば良いかもあわせてお伝えします。

こうすることによって初めて、
ハラスメントに対する「正しい知識」と「現場イメージ」が持てるわけです。

発症者を減らすために、カウンセリングストリートの
ハラスメント研修をぜひお役立てください。

5月に公開講座を下記の通り開催します。ぜひご参加ください。

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公開講座【ハラスメント防止のノウハウ〜発生させないために】
日時:5月15日(木)9:40〜11:45
場所:東京体育館(千駄ヶ谷)会議室
参加費:無料
申込:下記項目を記入したメールをmagazine@counseling.stまでお送り下さい。
改めて弊社より連絡いたします。
貴社名/お名前/ご所属/お電話番号/ハラスメント公開講座(東京5月15日)に参加希望
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3. メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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(1)メンタルヘルス不調による休職者の4割が退職−JIL調査
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メンタルヘルス不調で休職したことのある社員の42.3%が、
その後、退職に至っている状況が労働者政策研究・研修支援機構(JIL)の調査で明らかになった。
これは、メンタルヘルス、私傷病の治療と職業生活の両立支援のための調査として、
昨年11月にJILがまとめた結果によるもの。
数字は過去3年間の人数による。

回答があった5904社では、9割の企業に病気休職制度があり、
そのうちの52.0%で私傷病による休職者が発生していた。
メンタルヘルス不調による休職は疾病全体の33.1%を占める。
退職率は、がん(42.7%)に次ぎ、脳血管疾患(41.6%)を上回る結果となっており、
メンタルヘルス不調による休職者、退職者の多さが浮き彫りになった。

調査では、休職者に対するフォローアップのある企業は、
比較的退職率が低いという結果も出ている。
特に、復職支援プログラムの有無(有:31.2%、無:45.7%)、
試し出勤制度の有無(有:34.9%、無:46.3%)でその傾向が見られる。

メンタルヘルス対策を今後の重要な経営課題と捉える企業も多く、
回答企業の72.2%が、今後の重要な疾病対策として「メンタルヘルス」を挙げている。

http://www.jil.go.jp/institute/research/2013/112.htm

 

(2)賠償額減額した2審を差し戻し−最高裁、東芝元社員の解雇訴訟について判決
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うつ病による休職の後、解雇となった東芝の元社員が、
会社を相手取り損害賠償などを求めた訴訟において、
最高裁は3月24日、1審での賠償額を減少した2審判決を棄却し、
高裁に差し戻す判決を下した。

今回の争点は、2審で下した減額の根拠の妥当性。
2審では、元社員は通院の状況を申告していなかったため、
会社はうつ病の発症防止、重症化防止についての措置を執ることができなかったとして、
元社員の過失も認め、その分を1審での賠償額から減額していた。
しかし、今回の判決では、
元社員は常日頃から会社に体調不良を伝えており、
欠勤を繰り返し、業務軽減の申し出もしていた状況の中で、
会社はその状態が業務によることを認識し、
重症化防止のための措置を執ることは可能であったと判断。
2審の判決に疑問を提起し、改めて審理の差し戻しとなった。

元社員は、技術系のプロジェクトリーダーとして生産ラインの立ち上げを担当。
当時は、月60時間の超過勤務が5ヶ月続くなど、過重労働の状態にあった上、
常に納期のプレッシャーに曝されていた。
なお、労災については既に行政訴訟で認定されており、
本件の2審では、解雇無効も確定している。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140325085331.pdf