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212号 メンタル不調の原因はコミュニケーション?

2014年3月13日

3月も中旬になり、少しずつ春の訪れを感じられるようになってきました。
72候で一昨日は「桃始笑(ももはじめてさく)」、昼の長さも実感できるようになりました。

 

さて今回のテーマは
「メンタル不調の原因はコミュニケーション?」
です。

平成24年の厚生労働省「労働者健康状況調査」によると、
会社生活における、強い不安、悩みストレスは約41%の人が、
「職場の人間関係」をあげており、第一位となっています。
一方、平成19年の国民生活白書によると、
7人に1人の割合で「職場に誰も相談相手がいない」
という社員が存在しています。

人間関係を支配する大きな要素のコミュニケーション、今回はそこに焦点をあててみましょう

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本号のトピックス ====================================
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1.発症者を減らす(その12)
メンタル不調の原因はコミュニケーション?
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2.職場でのより良いコミュニケーションを推進する
 <CSの研修の例>
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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ

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1. 発症者を減らす(その12)
メンタル不調の原因はコミュニケーション?
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8/22から11回に渡って「発症者を減らす」という観点でいろいろな場面を考えてきました。
今回はそのどの場面でも登場するコミュニケーションを取り上げます。

前号で
上司は部下とのコミュニケーション上どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
という質問を投げかけてみましたが、考えていただけましたでしょうか。

「部下が話やすいような雰囲気をつくる」「いきなり本題に入らず、趣味の話から入る」
「そもそも日頃の人間関係が大切」「部下の立場に立って話すことでしょう」

いろいろな答えが聞こえてきそうです。

さて、ここで問題です。
「○○は、いつも明るくていいよな」と誰かから言われたとします。
皆さんが言われたとして、どのように感じますか?

状況とか、言い方にも影響されますが、
ある人は「嬉しい、自分って明るい性格だと思われている----」と思うかもしれませんし、
またある人は「私は何も考えない能天気な人だと思われてるんだ。
でも、そんな言い方しなくてももっとはっきり言えばいいのに」などと感じるかもしれません。

言っているのは一人なのに、解釈はいろいろ出てきそうです。
日常よく起こってしまう、コミュニケーションのギャップの始まりです。

そもそもコミュニケーションとは、刺激と反応の繰り返し(やり取り)です。
例えば、相手から言われた言葉に対し、自分が反応して言葉を発し、
また相手はその言葉に対して反応するという具合です。

そこにギャップが生じてしまう理由の大きな問題として
「我々は相手の言葉を理解する時に、相手の価値観ではなく、自分の価値観で判断をしてしまう」
というものがあります。

相手がどのような状況、気持ち、真意で言ったかにはお構いなく、
自分の状況、気持ち等を基に解釈をしていきます。
その為、上の例のように、言った人の真意は一つなのに
受け手には、いくつもの解釈ができてしまうのです。

部下とのコミュニケーションでも同じことが起こります。
部下の発言を、通常管理職は自分の価値観で判断していきますから、
部下の真意がなかなか掴めません。

部下の真意が分からなければ、「発症者を減らす」という観点で管理職がやるべき事、すなわち
「部下の体調を確認する」(何でもありません、良いですと言われるかもしれません)
「部下に医療機関の受診を促す」(強い拒絶があるかもしれません)
「業務負荷調整をする」(できていないのを隠しているかもしれません)
等々

は難しくなり、これでは、「発症者を減らす」「重症化を防ぐ」ことが叶わなくなるかもしれません。

管理職(受け手)の様々な解釈ではなく、部下の真意を理解するためには、
どうすればいいのでしょうか。

ここでカウンセリングストリートの研修ではどのように扱っているか
少しみてみたいと思います。

その前に、次号(4/10発行予定)までに考えていただきたいことです。
「ハラスメントはメンタルヘルス障害の発症と関係があるのでしょうか?」
次回までに考えてみてください。

 

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2.職場でのより良いコミュニケーションを推進する
 <CSの研修の例>
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上記1.の通り、発症を減らす観点から、
部下との良好なコミュニケーションは非常に大切です。
ではどうすれば良好なコミュニケーションができるのでしょうか?

大切なのは<部下の話を「正確に」理解する = 真意を理解する>ことです。

部下の話を「正確に」理解するには、「自分の価値観を通さず聴く」ことが必要になります。
そこで必要となるのが、『傾聴』の知識とスキルです。

カウンセリングストリートのコミュニケーション研修では
「発症を減らす」観点から、この『傾聴』理論を使って、
部下とのコミュニケーションの取り方についてお伝えをしています。

傾聴では相手の話を「自分の価値観ではなく、相手の価値観を通して聴く」ことを重視します。
そうすると相手は「自分の事を分かってくれている」と感じ、
安心感や信頼感を持つようになります。

そうすれば、部下は自分のことを正直に話し、上司のいう事を受け容れるようになります。
結果、上司が部下のコンディションを把握したり、
受診の促しや休養の促しを行なうことが可能になるのです。

しかしこの「相手の価値観を通して話を聴く」ことは実際には非常に難しいことです。
「相手の価値観を通して話を聴く」ってどういうこと?そんなの出来るわけないじゃないか。
最初は頭で理解することもできないでしょう。

また、たとえ理屈が分かったとしても、実際には思わず相手の話に反発したり、
知らず知らずのうちにアドバイスや批評をしてしまいがちです。

そこで弊社では「現場で役に立つ」研修とするために、
座学編と実践編の両面からお伝えをしています。

傾聴の基本知識を座学編で分かりやすく学び、管理職が腑に落ちた段階で、
実践編ではロールプレイなどの演習を用い、
部下の話を「自分の価値観を通さず聴く」ことの難しさを体験しながら、
「部下の価値観を通して話を聴く」スキルを学んでいきます。

また中級編では部下の体調を確認する場面、受診促しの場面など、
実際によくあるケースを演習で用いながら研修を行なっています。

「発症を減らす」ために、カウンセリングストリートの
コミュニケーション研修をぜひお役立てください。

 

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3.メンタルヘルス ニュースピックアップ
最新の情報やメルマガの内容に関連のある情報を
お伝えします
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(1)「メンタルチェック」義務化に向けて一歩前進−厚労省、労働安全衛生法改正法案提出へ
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労働政策審議会は、2月4日、厚生労働大臣が1月23日に諮問した
「労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱」について、「おおむね妥当」との答申を行なった。
これに基づき、厚生労働省は法案を作成し、今期通常国会に提出する準備を開始。
一昨年の衆議院解散により廃案になったままであった労働安全衛生法の改正に向け、
大きく前進したことになる。

今回の法律案要綱には、前回の廃案同様、メンタルヘルス対策の充実・強化が盛り込まれており、
重要なポイントは、「心理的な負担の程度を把握するための検査等」の実施を、事業者の義務とした点。
これは、発症の未然の防止、早期発見・対処につなげるために、労働者のストレス状態
(心身のダメージ)を把握することを目的としたもの。
また、労働者からの申し出があれば、結果を踏まえ、事業者は、医師による面談指導や、
医師の意見を考慮した就業調整など、適切な措置を講じなければならないとしている。

厚生労働省は、平成26年中の法案成立を目指している。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000036591.html

 

(2)自殺防止、自治体も積極的取り組み−千葉県、事業者向け相談マニュアル作成へ
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千葉県は、事業者向けの「自殺相談共通マニュアル」の原案を作成、
1月31日の県自殺対策連絡会議で討議した。

高止まりしている自殺者数にストップをかけるため、千葉県では、
平成22年度から「自殺対策推進計画」に取り組んでおり、
今回の事業者向けのマニュアルはその一環となる。

今回は、特に職場において、事業者、管理職が従業員との対応で考慮すべき点を明示。
自殺にはうつ病などのメンタルヘルス障害が大きく関連していることを踏まえ、
事業者、管理職は、勤怠、業務状況から従業員の異変を見逃さないこと、
また、自殺の危険性の兆候を示した従業員には、積極的に声がけ、傾聴を行ない、
場合によっては家族と連携を取り、医師などの専門家への受診を勧奨することなど、
具体的な対応方法まで盛り込む。
さらに、うつ病などで休職した従業員がスムーズに職場復帰できるよう、
復職支援の手引きも記載する。

千葉県は、自殺対策連絡会議の討議内容を踏まえ、3月中に成案を完成させ、

県ホームページで公開、各市町村や、保健所などにも配布する予定。